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[03心-ポ-58]両手協応運動のタイミング制御における加齢の影響
*Takuma Umemori1, Ryo Watanabe2,3, Takahiro Higuchi1 (1. Department of Health Promotion Science, Tokyo Metropolitan University, 2. Faculty of Physical Education, National Institute of Fitness and Sports in Kanoya, Kanoya, Japan., 3. Japan Society for the Promotion of Science, Tokyo, Japan.)
【背景・目的】高齢者が健康で自立した日常生活を営む上で、両手協応運動は食事や更衣などに影響を与える重要な要素である。本研究では、両手協応運動について、両手のタイミング制御の加齢による変化を検討する。高齢者と若齢者を対象に、5つの時間間隔条件を設定した両手タッピング課題を実施する。測定した2つのタイミング指標(片手内、両手間)のうち、どちらに加齢の影響が表れるかを明らかにする。【方法】健常高齢者19名(平均76.4 ± 5.3歳)、健常若齢者13名を対象とした(平均32.2±8.5歳)。参加者は、2つの音刺激を組み合わせた聴覚刺激のリズムに同期して、左右の人差し指でキーボードを押す両手タッピング課題を行った。タッピング速度は0.5Hzに設定された。聴覚刺激によるリズムは5つの時間間隔条件が提示された(0ms、250ms、500ms、750ms、1000ms)。0msの条件では、2つの音刺激が同時に、その他の条件では、2つの音刺激が各条件の時間差で提示された。測定項目は、タッピング速度に対する片手内タイミングの変動誤差および提示された時間間隔に対する両手間タイミングの変動誤差とした。【結果・考察】両手タッピング課題におけるタイミング制御において、両手間タイミングに加齢の影響がみられた。一方で、片手内タイミングの変動誤差は有意差を認めなかった。このことは、加齢に伴う神経系の変化により、運動制御や注意機能が低下した結果であると考えられる。また、片手内タイミングの結果について、単一の手を制御するという基本的な運動機能は高齢者においても維持されることを示唆している。このことは、高齢者が両手を使う日常的な作業(例えば、調理や更衣など)において、安定した片手が高齢者の自立した生活と日常動作の円滑さを支える重要な要素となっている可能性が示唆される。
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