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[03心-ポ-69]大学生アスリートにおける宗教的慣習の頻度とSpiritualityに関する実態調査

*Kizuku Ymamoto1, Hideaki Takai2 (1. Graduate school of Nippon Sport Science Univ. , 2. Nippon Sport Science Univ.)
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Spiritualityの構成概念は、何かを求めてそれに関係しようとする積極的な心の持ち様と自分自身やある事柄に対する感じ、または思いである(比嘉、2002)。現代では考え方や信念の多様化が進んでいるが、日本の大学スポーツ界に目を向けると、大学生アスリートの宗教的な信念や慣習を受容できる状況には至っていないように思われる。松島(2006)により、日本の宗教的風土は複雑で信仰の表明の仕方も異なると述べられており、日本の宗教的信念は独自の特徴を有するものと考えられる。そこで本研究においては、大学生アスリートの宗教的慣習について実態調査を行うこととした。本調査は、Webアンケートを用いて集合調査法により実施した。調査内容は「①フェイスシート」「②宗教的慣習の頻度」「③Spirituality評定尺度(Spirituality Rating Scale:以下、SRS)」とした。調査対象者はA大学に所属する体育学専攻学生236名(男性113名、女性123名)であり、234名(男性113名、女性121名)から有効回答が得られた。SRSについては、天井効果がみられた項目を除外し、最尤法―プロマックス回転による因子分析を行った。その結果、最終的には12項目3因子が得られた。次に、尺度の因子的妥当性を確認するため、確認的因子分析を行ったところ、GFI=.938、AGFI=.904、CFI=.956、RMSEA=.059となった。そして、SRSの得点を従属変数、宗教的信仰を独立変数として、一要因分散分析を行った。その結果、自身の宗教的信仰を「わからない」と回答した群は宗教的信仰を「ない」と回答した群よりもSRSの第3因子である「深心」の得点が有意に高かった。よって、宗教的信仰を「わからない」と回答した大学生アスリートは特定の宗教を信仰していないが、「見えない力」は感じていることがうかがえる。

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