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[03心-ポ-70]時間的不確実性に伴う反応遅延の所在解明偏側性準備電位による検討

*Yuta Kimura1, Hiroaki Masaki2 (1. Graduate School of Sport Sciences, Waseda Univ. , 2. Faculty of Sport Sciences, Waseda Univ.)
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オープンスキルスポーツで重要視される素早くて正確な反応は、種々の要因によって遅延する。例えば、警告刺激から命令刺激までの時間(foreperiod: FP)が延長すると、時間的不確実性の増大によって反応時間 (reaction time: RT)も遅延する。このFP効果が刺激関連処理と反応関連処理の何れに起因するかは不明である。本研究ではFPと弁別難度の2変数を操作し、FP効果の原因を調べた。 実験参加者(21名)は、警告刺激(+)の呈示後、FP(600 msあるいは3000 ms)を経て出現する命令刺激(「左」「右」)に対して文字に合致する手指(第2指)でボタン押し反応を行った。命令刺激は背景黒色に対して白色(弁別易)もしくは灰色(弁別難)でランダム呈示された。参加者12名については脳波計測も行い、偏側性準備電位 (lateralized readiness potential: LRP)を測定し、刺激同期LRP (stimulus-locked LRP: S-LRP)と反応同期LRP (response-locked LRP: R-LRP)を算出した。 FP (600/3000)×弁別難度 (易/難)の2要因分散分析の結果、RTはFPが長い場合と弁別が難しい場合に遅延した(それぞれ、F(1,19)=15.48, p<.001, F(1,19)=47.08, p<.001)。交互作用は有意でなかった。エラー率に有意差はなかった。S-LRP潜時はRT結果と同様、FP3000 (F(1,10)=19.61, p=.001)と弁別難(F(1,10)=7.42, p=.021)で延長した。交互作用は有意傾向であった(F(1,10)=3.42, p=.094)。R-LRP潜時に有意差はなかった。 これらの結果からFP効果は刺激関連処理に起因することが示唆された。

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