Presentation Information
[10保-ポ-06]異学年合同授業による保健科模擬授業が省察の変容に及ぼす影響学年進行によるリフレクション記述内容の変容に着目して
*Masatomo Nakagawa1, Haruka Imajyou1 (1. St.Catherine University)
【目的】模擬授業は教員としての総合的な実践力の向上を目的に多くの教員養成系大学で行われている。しかし、小規模校では人数の制約があり、生徒役の人数、授業の緊張感、省察の視点の固定化等の問題が懸念される。そこで我々はそれらの課題を解消するため、異学年を交えた模擬授業の実践を行っている。本研究では同じ学生における下級生時及び上級生時のリフレクションの記述内容から学年が進行するにつれてどのように省察内容が変容するかを検討した。【方法】対象は開講科目「保健体育科教育法」の内、大学2年生、3年生の合同授業として行った高校保健科の模擬授業である。模擬授業を2年生2名1組で実施し、模擬授業に対する省察として「声の大きさ」、「視線・表情」、「指示・説明」、「板書・資料」の4つの観点からリフレクションシートを作成した。分析は当該授業を履修する大学生8名を対象とし、対象者がに作成した計68枚のリフレクションシートについて対応分析によるテキストマイニングを行い、各年次における省察の傾向を観察した。【結果】「視線・表情」について、2年時では主に生徒の顔や表情を見るなどの直接的な教師行動に着目していたが、3年時はそれに加えて授業の雰囲気などのマネジメントについても指摘があった。「指示・説明」について2年時では「分かる」や「生徒」などの語句が多く、生徒役の視点からの記述が多く見られたが、3年時では「指示」などの語句が多く、教師役の説明の仕方についての記述が見られた。これらの違いは異なる学年間で同じ模擬授業を受けた際の省察を分析した先行研究と同様の傾向であった。また「声の大きさ」、「板書・資料」では各学年間に明確な差異が見られなかった。【考察】以上の結果から学年進行によってリフレクションの記述内容が変容する様子が認められ、その変容はこれまで受けた省察に影響を受けている可能性が推測された。
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