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[09方-ポ-02]大学院でアスリートセンタードコーチングを学修したコーチのコーチング観と課題感
*Yuya Watanabe1, Futa Yahiro2, Risako Tamada3 (1. Japan University of Economics, 2. Shigakkan University, 3. Shigakukan University)
アスリートセンタードコーチング(以下、ACC)は、選手のモチベーションに焦点を当てながら自己決定的な活動を支援し、主体的な活動を通した学びの最適化を実現していくものである(伊藤,2014)。自己決定的なトレーニングはモチベーションだけでなく、選手の心理的・社会的スキルの獲得や競技力向上に肯定的な影響を与え、このような学習者中心のコーチングは大変重要なものである(Kidman, 2010)。このACCを専門的に習得する場の一つとして、大学で展開されるコーチ教育プログラムが挙げられる。特に大学院ではACCに基づく学位論文の執筆や研究活動に従事しながら、ACCの実践に対する深い学びが得られる。反面、大学院の課程を経て現場でACCの実践に励むコーチ達は、実践上において様々な課題を抱えているものと考えられる。専門的にACCを学んでいるからこそ生じるコーチング上の課題を明らかにすることは、今後ACCを実践しようとするコーチ達へ有益な知見を提供するための、研究上の基礎資料とすることができる。以上の背景から、本研究ではACCを大学院にて学修したコーチ達の、コーチング上のコーチング観と課題感を明らかにすることを目的とした。対象者は大学院にてACCに関する学修や研究活動を経験し、その後スポーツ現場でコーチングに従事するコーチ3名とした。半構造化インタビューを採用し、対象者から大学院での学びや、学びを通したコーチング観、ACC実践の課題感について語りを引き出した。得られたデータは、SCAT(大谷,2008)を用いて質的に分析した。分析には研究者3名が携わることによって客観性を担保した。質的分析の結果、多様な文脈の中でACCの実践に障壁を感じており、理想と現実のジレンマに課題感を感じている様子が確認された。詳細については当日の発表を参照されたい。
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