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[09方-ポ-04]大学合気道授業における効果の因果的関係性について受講生の主観的評価に着目した探索的検討

*Yutaka Sonobe1 (1. Teikyo Heisei University)
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これまで大学合気道授業の実施によって、受講者の快感情や自覚的な体力度が改善すること、最終授業での自由記述から「相手と合わせる」意識が日常場面へ波及されていることなどが示されているが、受講生が得られる合気道授業の効果を網羅しているとは言い難い。また、これまでの研究では、同一変数間のみの比較であることや、一時点のみの自由記述の検討であるため、異なる変数間の因果的関係性までは不明である。これらが明らかとなれば、合気道授業において期待される効果に基づいた、具体的指導法の確立に有用な資料となる。そこで本研究では、受講生の主観的評価に着目し、その因果的関係性について探索的に検討することを目的とした。対象者は、大学合気道授業を受講した男性133名(平均18.47±0.50歳)であった。調査内容は、主観的運動強度、快感情、疲労感、自覚的体力度および技の達成度とした。調査時期は、第1回目の調査時点(以下Time 1:授業3回目に相当)、第2回目の調査時点(以下Time 2:授業14回目に相当)とし、各授業後に質問紙調査を行った。異なる変数間の因果関係について言及するために、交差遅延モデルを用いた共分散構造分析による検討を行った。その結果、Time1にける主観的運動強度はTime2の自覚的体力度(β=-.18, p<.05)および技の達成度(β=-.18, p<.05)に、Time1の自覚的体力度はTime2の技の達成度(β=-.17, p<.05)に、Time1の技の達成度はTime2の主観的運動強度(β=-.17, p<.05)に有意な影響を与えていた。以上の結果より、適切な運動強度で授業を行うことがその後の体力や技の向上の認知につながること、自覚された体力を考慮した授業の展開が技の向上の認知につながること、さらには技が上手くできたという成功体験の積み重ねが適切な運動強度につながる可能性が示された。

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