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[09方-ポ-14]輻射熱の有無による同等湿球黒球温度下での中強度運動時の体温調節反応

*Naoyuki Yamashita1, Masashi Kume2, Tetsuya Yoshida1 (1. Kyoto Institute of Technology, 2. Kyoto Bunkyo Junior College)
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暑熱環境の評価には湿球黒球温度が用いられるが、晴天時と曇天時とでは日射の有無、気温や相対湿度の組み合わせによっては同等の湿球黒球温度になり得る。光線からの輻射熱のある場合とない場合とで同等の湿球黒球温度環境にて運動したときの体温調節反応はほとんどわかっていない。本研究の目的は同程度の湿球黒球温度環境において光線からの輻射熱の有無が中強度運動時の体温調節反応におよぼす影響を検討することであった。研究対象者は12名の若年男性 (年齢23±1歳、身長172±5cm、体重63.8±9.5kg、最大酸素摂取量38.6±5.4ml/kg/min)であった。実験環境は日射条件と日射無条件ともに湿球黒球温度約28℃とした。実験運動は最大酸素摂取量の60%強度の自転車こぎ運動を1時間行い、その間の酸素摂取量、直腸温、皮膚温、主観的作業強度を測定した。また、運動前後に体重を測定し、体重減少量を算出した。酸素摂取量は条件間に有意差はなかった(p>0.86)。運動前半の直腸温の上昇度は日射条件と日射無条件との間には有意差はなかったが(p>0.63)、運動終盤では日射条件が日射無条件と比較して有意に高かった(p<0.045)。平均皮膚温では条件間に有意差はなかった(p>0.11)。主観的作業強度は運動後半で日射条件が日射無条件よりも有意に高値を示した(p<0.038)。体重減少量では日射条件が日射無条件に比較して有意に多かった(p<0.001)。これらのことから、湿球黒球温度が同程度の環境でも光線からの輻射熱がある場合、短時間の運動では直腸温上昇への影響は少ないが、運動が1時間に及ぶ場合には直腸温がより上昇することが示唆された。また、日射環境ではよりきつく感じること、そして発汗が亢進することから、積極的な水分補給が必要であることが示唆された。

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