Presentation Information
[09方-ポ-35]鉄棒における〈前方浮腰回転振り出しひねり倒立〉のコツに関する構造分析
*Yusuke Matsumoto1 (1. University of Tsukuba)
本研究で取り上げる鉄棒の〈前方浮腰回転振り出しひねり倒立(以下〈アドラーハーフ〉とする)〉は、現在の体操競技のルールにおいて、グループⅢ(バーに近い技・アドラー系の技)中で2番目に高いD難度(0.4)に位置づけられており、競技会において多くの選手が実施している。この技は指導現場において多く取り上げられているものの、技術情報が一般化されておらず、その習得は現場の選手やコーチが試行錯誤しながら試みているのが現状である。こうした状況においてこの技は現在までに、技術や指導方法に関する研究は行われているものの、未だ一般化できる指導法は示されていない。それは習得者のコツが示されたとしても、そのコツの意味構造まで明らかにされない場合、そのコツ情報は個人のコツ言表にしかならないからである。そうすると、万人に通用するコツの解明とはならないことから、技術や指導法の一般化に至らないことが考えられる。そこで本研究では、〈アドラーハーフ〉のコツを提示すると共に、そのコツの意味構造を解明することを目的として、研究することにした。
そうしたことから本研究は、初めに〈アドラーハーフ〉に関する筆者のコツを抽出した。そして、そのコツに対して「消去法」や「脱構築」を行って要となるコツが働かなかった場合などを思考実験することで、コツ同士の関係性を確認し、コツの意味構造を浮き彫りにした。
その結果、本研究において筆者が用いていた逆懸垂における屈身体勢から伸身体勢への体勢変化は、肩角減少と組み合わせることで、身体を倒立位に上昇させるためのコツとして機能することが示唆された。発表では上記に関するコツの意味構造分析の詳細について言及する。
そうしたことから本研究は、初めに〈アドラーハーフ〉に関する筆者のコツを抽出した。そして、そのコツに対して「消去法」や「脱構築」を行って要となるコツが働かなかった場合などを思考実験することで、コツ同士の関係性を確認し、コツの意味構造を浮き彫りにした。
その結果、本研究において筆者が用いていた逆懸垂における屈身体勢から伸身体勢への体勢変化は、肩角減少と組み合わせることで、身体を倒立位に上昇させるためのコツとして機能することが示唆された。発表では上記に関するコツの意味構造分析の詳細について言及する。
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