Presentation Information
[09方-ポ-36]鉄棒における〈バーを越えながら後方伸身宙返り1回ひねり懸垂〉のコツに関する動感地平論的研究
*Tomoya Sugiyama1 (1. University of Tsukuba)
【研究目的】
本研究で取り扱う〈バーを越えながら後方伸身宙返り1回ひねり懸垂(以下、〈カッシーナ〉と表記する)〉は現行の2022年版男子採点規則においてG難度に位置づけられている(日本体操協会,2022,p.142)。このような高難度技に関する技術情報が明らかにされた研究は十分に提示されておらず、一層の技術研究が必要である。そこで本研究では、この技の習得を目指す選手の「手引き」となる技術情報を明らかにすることで、体操競技のトレーニング論の発展に寄与することが本研究の狙いである。
【研究方法】
本研究では、発表者自身の〈カッシーナ〉におけるコツの本質的意味構造を明らかにするために、発生運動学における構造分析の3つの対象領域のうち、地平論的構造分析(金子,2007,pp.64-68)の方法に基づき分析を行った。具体的には超越論的反省分析を繰り返すことにより、筆者自身のコツを提示し、そのコツを消去・変更することで、コツ同士がどのような関係を持っているのかという構造や、筆者自身も感じ取ることのできない受動的領域まで遡ってコツを明らかにした。
【結語】
本研究において筆者の〈カッシーナ〉の離手局面において「手首を背屈して棒を押し離す」コツは、手首の背屈動作の伴い、肩角を開く動作をしており、宙返りの高さを獲得するためのコツであった。また、「あふりの体勢を保持しながら離手をする」コツは、懸垂振動で得た勢いを宙返りの回転に変換するためのコツであることが分かった。このことから、筆者の離手局面でのコツは、宙返りの高さ及び回転を両立させることを可能にしていることが確認できた。これらのコツを達成させるために、各局面に段階的な目標としてのコツがあり、特にぬき局面とあふり局面のコツにより、離手局面でのコツを可能にしているという関係性が明らかになった。
本研究で取り扱う〈バーを越えながら後方伸身宙返り1回ひねり懸垂(以下、〈カッシーナ〉と表記する)〉は現行の2022年版男子採点規則においてG難度に位置づけられている(日本体操協会,2022,p.142)。このような高難度技に関する技術情報が明らかにされた研究は十分に提示されておらず、一層の技術研究が必要である。そこで本研究では、この技の習得を目指す選手の「手引き」となる技術情報を明らかにすることで、体操競技のトレーニング論の発展に寄与することが本研究の狙いである。
【研究方法】
本研究では、発表者自身の〈カッシーナ〉におけるコツの本質的意味構造を明らかにするために、発生運動学における構造分析の3つの対象領域のうち、地平論的構造分析(金子,2007,pp.64-68)の方法に基づき分析を行った。具体的には超越論的反省分析を繰り返すことにより、筆者自身のコツを提示し、そのコツを消去・変更することで、コツ同士がどのような関係を持っているのかという構造や、筆者自身も感じ取ることのできない受動的領域まで遡ってコツを明らかにした。
【結語】
本研究において筆者の〈カッシーナ〉の離手局面において「手首を背屈して棒を押し離す」コツは、手首の背屈動作の伴い、肩角を開く動作をしており、宙返りの高さを獲得するためのコツであった。また、「あふりの体勢を保持しながら離手をする」コツは、懸垂振動で得た勢いを宙返りの回転に変換するためのコツであることが分かった。このことから、筆者の離手局面でのコツは、宙返りの高さ及び回転を両立させることを可能にしていることが確認できた。これらのコツを達成させるために、各局面に段階的な目標としてのコツがあり、特にぬき局面とあふり局面のコツにより、離手局面でのコツを可能にしているという関係性が明らかになった。
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