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[経・社-S-3]Impact On PE Teachers Due To Shift Of School Sport Activities Into Community Activities

*Takeshi Nozaki1 (1. Kagawa University)
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<演者略歴>
筑波大学大学院体育研究科体育経営学研究室修了後、香川大学教育学部、教職大学院高度教職実践専攻にて教鞭をとる。附属高松中学校校長、教育学部長、香川大学教育担当理事を歴任。最近は、体育・スポーツ研究から離れ、教職研究に従事してきた。
筆者に課されている課題は、学校部活動の地域展開がもたらす保健体育教師へのインパクトである。そのイメージを捉えるには、まず地域移行・地域展開の実態に触れる必要がある。今回は、東京都品川区(部活動は学校教育の一環)、茨城県土浦市(学校教員主導の地域展開)、長野県長野市(部活動を学校教育から分離)の三つの事例の改革の経緯を調査した。様々に相違はありながら、「部活動という価値ある重たいものを存続・発展させるための地域移行・地域展開だ!」という、改革推進の中で培われたビジョンについては共通していると感じた。この7月で地域移行を整えるという長野市においても、「今後の状況を捉え、部活動の今後のあり方、学校・教員のあり方を見直す機会としての時間があると思う」という声があった。現時点で、地域移行・地域展開後の状況を明確に捉えることはできないと言っていい。
 筆者の理論的立場は、コミュニケーションが<自己>と<世界>を産出する、というものである。加えて、ある強固な世界の見え方がある場合、そこにはそれを生み出す「語り口・語られ方」の堆積ともいうべきディスコース(言説)が存在することとなる。今回は、学校部活動を支えてきたディスコース(例えば「部活がしっかりしていると、学校は落ち着く」、「学校教員は、部活だけでなく、教室での様子や行事などの様々な場面での子どもの様子をトータルに見て、教育に生かしている」、「競技成績ばかりでなく、子どもが中学生として成長することが第一だ、と考えるような、そんな外部指導者に、部活動の面倒を見てほしい」、「現在の部活改革は子どものことを後回しにしている」等)とその背景を捉え、その揺らぎの状況(=地域移行・地域展開が齎す保健体育教師へのインパクト)を、改革の関係者との対話の中で探っていきたい。

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