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[学校保健体育-SB-3]School health and physical education as a literacy education from the perspective of human body

*Koji Takahashi1 (1. Nagasaki University)
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<演者略歴>
千葉大学教育学部卒業、上越教育大学大学院修了、東京学芸大学連合大学院修了、博士(教育学)。大阪産業大学講師を経て長崎大学准教授。日本体育・スポーツ哲学会理事、日本体育・スポーツ・健康学会体育哲学専門領域運営委員。学校保健体育研究部会部会員(副部会長)。
本発表では、大学を含む学校保健体育における「身体」の教育を概観し、その教育と近年注目されているフィジカルリテラシーやライフパフォーマンスの向上との関係について検討する。例えば、フィジカルリテラシーは身体活動に取り組む全ての者にとって育成可能であり、学校保健体育における真正の学びや本質的な問いの設定に繋がる。また、ライフパフォーマンスの考え方は学校教育における「生きる力(未来を生き抜く力)」と類似する点が多く、この能力の向上は学校保健体育の目的の一つとなり得る。特に、学校保健体育では、主体的・対話的に学習(修)を進める過程で自己の心身の変化を自覚しながら調整して対応したり、先を見通す力が養われる。そこには他者への気付きも含まれ、生涯にわたる身体活動への動機、自信にも繋がるだろう。しかし、それらの適用には競技力の向上といった先鋭化の問題や数値による評価といったメリトクラシーの問題が生じる可能性があり、スポーツ科学や健康科学の知見を学校保健体育と連携させる際には注意する必要がある。学校保健体育で育成される能力は時代の要請によって変化するが、その基盤は「人間の身体」であり続けることになる。

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