Session Details
【オンデマンドシンポジウム19】がん登録情報を利用した感度・特異度の算出から分かったがん検診の課題とその克服
座長:雑賀公美子(佐久総合病院佐久医療センター)
田中 里奈(弘前大学大学院医学研究科)
田中 里奈(弘前大学大学院医学研究科)
厚労省科学研究費補助金「がん登録を利用したがん検診の精度管理方法の検討のための研究」班(代表:松坂方士)企画シンポジウムである。がん検診によってがん死亡率を低下させるためには、(1)科学的根拠のあるがん検診の選択、(2)徹底した精度管理、(3)高い受診率、が必要である。欧州等では、これらを実施した組織型検診の実施によって子宮頸がんや乳がんの死亡率が低下したことが報告されている。しかし、日本では特に(2)徹底した精度管理、が不十分であり、がん検診の成果がでていない。がん検診の有効性を向上させるためには、精度管理の徹底が重要な課題である。
がん検診の精度管理における基本的な手順は、①精度管理指標とその許容範囲を設定する(検診実施前)、②精度管理指標を算出し、許容範囲外の実施主体や検診機関を検出する(検診実施後)、③許容範囲外の実施主体や検診機関の事業内容を見直し、指標の改善を図る、である。
欧州等の組織型検診を実施している国では、国レベルでがん検診受診者の受診後のがん罹患の有無を把握し、感度・特異度を算出し、精度管理することが可能である。一方、日本ではこれまで未受診者からのがん罹患情報を網羅的に把握するシステムがなく、感度・特異度は算出できず、精度管理の大きな障害となっていた。しかし、平成28 年に全国がん登録が法制化され、都道府県や市町村ががん登録情報を利用することが可能となり、検診受診後のがん罹患を把握して感度・特異度を算出するなどのがん登録情報を用いたがん検診精度管理が可能になった。本研究班ではがん検診の精度管理向上を目的としたがん登録情報の利用の全国展開に関する支援を行っている。本シンポジウムでは、研究班のこれまでの取り組みと今後の展望を紹介した後、課題を含めた先行事例について報告する。また、がん検診の感度や偽陰性の定義、測定法による違いとその位置づけについて国際的な視点を交えながら概説し、日本のがん検診における課題を提示する。
がん検診の精度管理における基本的な手順は、①精度管理指標とその許容範囲を設定する(検診実施前)、②精度管理指標を算出し、許容範囲外の実施主体や検診機関を検出する(検診実施後)、③許容範囲外の実施主体や検診機関の事業内容を見直し、指標の改善を図る、である。
欧州等の組織型検診を実施している国では、国レベルでがん検診受診者の受診後のがん罹患の有無を把握し、感度・特異度を算出し、精度管理することが可能である。一方、日本ではこれまで未受診者からのがん罹患情報を網羅的に把握するシステムがなく、感度・特異度は算出できず、精度管理の大きな障害となっていた。しかし、平成28 年に全国がん登録が法制化され、都道府県や市町村ががん登録情報を利用することが可能となり、検診受診後のがん罹患を把握して感度・特異度を算出するなどのがん登録情報を用いたがん検診精度管理が可能になった。本研究班ではがん検診の精度管理向上を目的としたがん登録情報の利用の全国展開に関する支援を行っている。本シンポジウムでは、研究班のこれまでの取り組みと今後の展望を紹介した後、課題を含めた先行事例について報告する。また、がん検診の感度や偽陰性の定義、測定法による違いとその位置づけについて国際的な視点を交えながら概説し、日本のがん検診における課題を提示する。
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