講演情報
[1D02]JENDL-5の軽水の熱中性子散乱則の再評価
*多田 健一1、安部 豊2、渡邉 友章1 (1. JAEA、2. 京大)
キーワード:
熱中性子散乱則、軽水、JENDL-5、分子動力学
2023年の日本原子力学会秋の大会において、JENDL-5の軽水の熱中性子散乱則を用いると、減速材温度の変化で実効増倍率が振動するという問題を指摘した。この問題の要因を調査したところ、分子動力学シミュレーションの試行回数が少なく、統計誤差が大きく、十分な精度で評価できていないことが原因であることが分かった。そこで、分子動力学シミュレーションの試行回数を大幅に増やし、新たに軽水の熱中性子散乱則を再評価した。この新たに整備した熱中性子散乱則を用いることで、温度に伴う実効増倍率の変化がスムーズとなり、ENDF/B-VIII.0やJENDL-4.0など、他の評価済み核データと近い傾向を示すようになった。本発表では、水の熱中性子散乱則の再評価と、その再評価が実効増倍率に与える影響について説明する。
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