講演情報

[2C12]福島における放射性物質分布調査(7) 福島県川底土におけるCs-137吸脱着過程の解明に向けたモデル構築

*和田 尚志1、恩田 裕一2、Smith Jim3、五十嵐 康記2 (1. 筑波大学、2. 筑波大学放射線・アイソトープ地球システム研究センター、3. ポーツマス大学)

キーワード:

Cs-137、福島第一原子力発電所、川底土、吸脱着モデル、固液分配係数

2011年3月の福島第一原子力発電所事故により多量のCs-137が大気中に放出され、速やかに陸域へと沈着した。そこで本研究では固相と液相間の吸脱着に着目し、モデルを使用した解析を行ったうえで川底土Cs-137濃度の形成要因を解明することを目的とする。今回の研究では、固液間の吸脱着を想定したボックスモデルを作成し、液相からの吸着反応速度と固相からの脱離反応速度と放射壊変を考慮した。このモデルに現地で得られた溶存態の時系列データと実測の川底土の初期濃度を代入することで、反応速度のみを変数とする川底土Cs-137濃度の時系列データが得られる。このモデルにおける川底土Cs-137濃度により実測の川底土Cs-137濃度を再現することで現場における吸脱着の反応速度を評価する。実際に、現地における川底土Cs-137濃度を十分に再現でき、採取地点ごとに異なるKdにより川底土Cs-137濃度変化が支配されていることが明らかとなった。

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