講演情報

[2C14]福島における放射性物質分布調査(9) 森林源流域における出水時の溶存態Cs-137濃度上昇の要因

*永田 祐太郎1、恩田 裕一2、榊原 厚一3、高橋 純子2、平松 翼3 (1. 筑波大 地球科学学位プログラム、2. 筑波大 放射線・アイソトープ地球システム研究センター、3. 信州大 理学部理学科)

キーワード:

Cs-137、森林源流域、溶存有機炭素

福島第一原発事故の影響を受けた森林源流域では出水時に溶存態137Cs濃度が上昇することが確認されている。また河川での溶存態137Csの起源としてK+,NH4+とのイオン交換や堆積有機物からの溶出が考えられている。本研究では平水時と出水時の渓流水サンプリングを行い137Cs濃度の他に溶存無機イオン,溶存有機炭素(DOC)の測定を行うことで出水時の溶存態137Cs濃度上昇の要因を推定した。出水時において競合イオンの濃度はピーク後4時間で平水時と同程度まで低下した一方でDOC濃度は12時間後も平水時の2倍以上の濃度を維持していた。溶存態137Cs濃度は出水翌日でも平水時より高い値をとっていたため出水時の溶存態137Cs濃度の上昇にはイオン交換でなく堆積有機物からの直接溶出の影響が大きいことが示唆された。

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