講演情報

[2C16]福島における放射性物質分布調査(11) 福島第一原発事故由来の海洋中137Csの鉛直分布と時系列変化を基にした供給経路の推定

*浅尾 宗洋1、津旨 大輔1 (1. 筑波大)

キーワード:

福島第一原子力発電事故、137Cs、直接漏洩、河川流出

福島第一原子力発電所(1F NPP)の事故により放出された137Csのうち約80%は海洋へ流出した。依然として1F NPP近郊の137Cs濃度は事故以前のレベルには回復していない。現在海洋へ放出される137Csの主な供給源としては1F NPPからの直接漏洩,河川からの流出,北太平洋からの再循環が考えられているが、それぞれがどの程度の範囲で影響しているかは十分に解明されていない。本研究は1F NPP近郊で計測された137Csのデータから、各観測地点における主な供給源を推定することを目的とした。その方法として137Csの時系列変化と鉛直分布に注目した。直接漏洩と河川流出では137Cs流出量の時系列変化の傾向が異なっており、海洋中137Cs濃度の時系列変化を解析することでそれぞれがどの程度寄与しているかを推定することが出来た。北太平洋からの再循環については鉛直分布から区別を試みた。淡水である直接漏洩と河川流出が主に海洋表層に分布している一方、再循環は海流によって分布が異なることが分かった。

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