講演情報
[2K02]福島第一原子力発電所において採取された放射性試料の分析(7)多核種除去設備の使用済み吸着材の核種組成
*二田 郁子1、大木 恵一1、駒 義和1 (1. JAEA)
キーワード:
福島第一原子力発電所、多核種除去設備、使用済み吸着材、放射能分析
多核種除去設備では,様々な性能の吸着材により汚染水中の放射性核種を除去している。水処理二次廃棄物として発生する使用済み吸着材の処理・処分方法の検討に資するために,これまでに10種類の吸着材について,使用履歴の異なる27試料の放射能分析を実施した。チタン酸塩やフェロシアン化合物の吸着材は,吸着工程の前段に設置されており,除去対象核種であるSr-90やCs-137が主要な汚染であった。一方,I-129を対象とする銀ゼオライト吸着材等,比較的後段に設置された吸着材では,除去対象核種のみならず様々な放射性核種が蓄積されている。放射能濃度の相関が見られない場合があり,吸着材の使用順序や,時期による処理する汚染水の放射性核種の組成の違い等の影響の結果と考えられる。以上から,使用済み吸着材の汚染状態を濃度比によって評価することは難しく,この前提に基づいて廃棄物の濃度を決定する必要がある。
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