講演情報

[2K08]高濃度放射性セシウム含有微粒子(Cesium-rich microparticle, CsMP)の本質的解明に基づく炉内の情報と環境影響(12)福島第一原発から放出された"放射性セシウム原子"の可視化

*宮﨑 加奈子1、堀江 憲路2、竹原 真美2、山﨑 信哉3、斉藤 拓巳4、大貫 敏彦5、高野 公秀6、塩津 弘之6、岩田 孟6、宇都宮 聡1 (1. 九大、2. 国立極地研、3. 筑波大、4. 東大、5. 東工大、6. JAEA)

キーワード:

高濃度放射性セシウム含有微粒子、放射性セシウム原子、ポルサイト

本研究では、環境試料から単離した高濃度放射性Cs含有微粒子(CsMP)に対して、γスペクトロメトリー、SEM、TEMを用いた系統的な分析に加えてHAADF-STEMとマルチスライス法像シミュレーションを行い、放射性Cs原子の可視化を試みた。
3つのCsMPの中にCsを高濃度(27-36%以上)含有する粒子が含まれ、ゼオライトの一種であるポルサイトを同定した。[111]から観察したポルサイトのHAADF-STEM像はポルサイト中のCs原子の六回対称の配列を示し、相対的な強度はシミュレーション像と一致した。Csと比べて同サイトに位置するBa, Kの濃度が低いこと、Cs同位体中の約5割が放射性Cs同位体であることを考えると、この像で可視化されたCs原子の半数は放射性Csの原子であり、世界初の放射性Cs原子の可視化に成功した。

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