講演情報
[2M10]亀裂性岩盤を対象とした地下水流動・物質移行モデルの妥当性確認に係る検討(2)事例検討結果に基づくモデルの妥当性確認の考え方
*尾上 博則1、三枝 博光1、石田 圭輔1、澤田 淳2 (1. NUMO、2. JAEA)
キーワード:
亀裂性岩盤、モデルの妥当性確認、不確実性、地下水移行時間、湧水量
閉鎖後長期を対象とした地下水の移行特性は長期安全性の評価指標となるが実測データとしては取得できないため,その妥当性を直接確認することができない。そのため,坑道への湧水量といった原位置で取得できる実測データを活用して構築したモデルで推定した地下水の移行特性の妥当性をどのように示していくかが課題である。本報告では,地下水の移行特性の妥当性を確認することができる代替指標を検討することを目的として,前報(1)の結果を用いて,原位置の実測データ(坑道への湧水量,坑道開放状態での地下水の水圧及び坑道掘削前後の塩化物イオン濃度)と地下水の移行特性との相関性について評価した。その結果,ばらつきはあるものの坑道への湧水量が多い区間ほど粒子の移行時間が小さいという一定の相関関係が認められた。このことから,地下水の移行時間と相関性のある区間湧水量を指標として,その妥当性を確認したモデルで推定した地下水の移行時間の信頼性を示すことができる可能性が示唆された。上記のような知見とエスポ岩盤研究所で取得された調査データを用いた検討事例の結果に基づき,地下水流動・物質移行モデルの妥当性確認の考え方や留意点などについて整理した。
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