講演情報
[2O11]3次元アトムプローブ及び走査透過電子顕微鏡を用いた原子炉圧力容器鋼溶接熱影響部の微細組織分析
*下平 昌樹1、河 侑成1、髙見澤 悠1、外山 健2、Du Yufeng2、嶋田 雄介2、吉田 健太2、永井 康介2、勝山 仁哉1 (1. JAEA、2. 東北大)
キーワード:
原子炉圧力容器鋼、溶接熱影響部、照射脆化、3次元アトムプローブ、走査透過電子顕微鏡
金属組織の違いが照射脆化感受性に及ぼす影響を調べるため、1970年代に運転を開始したプラントを模擬した銅含有量が高い原子炉圧力容器(RPV)鋼の溶接熱影響部(HAZ)及び母材部について、材料試験炉で中性子照射された材料を対象に、3次元アトムプローブ(APT)及び走査透過電子顕微鏡(STEM)により、溶質原子クラスタ及び転位ループの分析を実施した。APTを用いて異なる照射量ごとに溶質原子クラスタの数密度及び寸法を調べた結果、いずれの照射量でもHAZと母材部で顕著な違いは見られなかった。また、STEMにより中性子照射量が高い(約1020 n/cm2)試料中の転位ループを観察した結果、HAZと母材部で顕著な違いは見られなかった。以上の結果から、本研究で用いたRPV鋼において、HAZにおける母材部との金属組織の違いは、微細組織の性状に対してほとんど影響しないと考えられた。
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