講演情報
[3H04]XANESの実験とシミュレーションの相補的利用による黒雲母風化素過程の解明
*山口 瑛子1、高橋 嘉夫2、奥村 雅彦1 (1. JAEA、2. 東大)
キーワード:
XANES、黒雲母、粘土鉱物
地球上に広く存在する黒雲母鉱物は、風化によって粘土鉱物に変質し多くの陽イオンを吸着できるようになるが、その詳細は未解明である。本研究では、風化反応で起こると考えられる鉄(Fe)の電子状態に着目し、X線吸収端近傍構造(XANES)の実験およびシミュレーションを組み合わせることで、黒雲母の風化反応機構を明らかにすることを目指した。実験では、黒雲母試料を人工的に風化させ、様々な風化の程度を持つ風化黒雲母試料を作製し、それらのFe-K端XANESを測定した。一方シミュレーションでは、風化によって引き起こされる反応を仮定して黒雲母と風化黒雲母のモデルを作製し、それらに含まれるFe原子のXANESスペクトルを計算した。実験とシミュレーションの結果は整合し、黒雲母の風化においてFeが2価から3価に酸化されXANESのピークがシフトすること、風化によるFeイオンの溶脱が考えられることがわかった。
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