講演情報

[3M09]放射性物質によるコンクリート汚染の機構解明と汚染分布推定に関する研究(27)福島第一原子力発電所事故による実コンクリートの汚染解析に基づくセメントペーストの炭酸化と骨材の寄与

*山田 一夫1、新井 裕之1、丸山 一平2、渋谷 和俊3、遠藤 和人1 (1. 国環研、2. 東大、3. 太平洋コンサルタント)

キーワード:

コンクリート、汚染、中性化、骨材、経時変化

福島第一原子力発電所(1F)の廃炉過程において、建屋コンクリートの解体が必要であり、除染、保管、処理・処分を考慮して実施することが求められている。この活動に資するため1F近郊の実構造物の汚染評価を異なる時期に行ったので、その結果をまとめる。2015年12月と2024年1月に実施したコンクリート柱の表面線量率評価(放射壊変による減衰を補正)では、線量率が半減した。雨水によりCs-137が洗い流された可能性がある。浸透状況を確認するためコアを採取し浸透断面をイメージングプレートにより評価した。放射性物質は中性化部分に濃縮し、未中性化部分への浸透評価は難しかった。ある種の骨材中からは均一に放射性物質が検出された。放射性物質の濃度は骨材部分においてより高く、コンクリートの放射能汚染には骨材が重要な寄与をしていることが分かった。なお、室内密閉保管では放射性物質が移動しないことも確認できた。

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