講演情報
[P1-02]適応分野におけるGreen Climate Fundの気候資金獲得国の特徴
*渡邊 学1、藤田 将行1 (1. blue and tech株式会社)
キーワード:
Green Climate Fund、気候資金、気候変動適応、開発途上国支援
世界全体の喫緊の課題である気候変動への適応に関し、開発途上国に対する支援策の一つである気候資金について、基金規模が最大のGreen Climate Fund(GCF)を対象に、適応分野における資金配分状況の調査を行った。GCFの資金獲得国や、国ごとの気候変動への脆弱性を示すノートルダム気候変動適応指標(ND-GAIN)、国の経済的豊かさを測る指標であるGNI等のデータを用い、GISを利用して資金獲得国の特徴を分析した。GCFでは、開発途上国の中でも特に脆弱性が高いとされる後発開発途上国(LDCs)や小島嶼開発途上国(SIDS)、アフリカ地域へ適応に関する資金の半分以上を配分することを目標としておりこの点は達成されているものの、アフリカ地域などで極めて脆弱性が高い複数の国において資金を獲得できていないことが明らかになった。GCFでは、脆弱国へ適応資金の半分以上を配分する目標は達成されているが、極めて脆弱な国を支援するという点では課題が残されていることが示唆された。
