講演情報

[P1-17]グラフニューラルネットワークを用いたサプライチェーンにおける中核企業の識別 - 日本全国の企業間取引データへの適用 -

*鹿野 英明1、小川 芳樹1、ジュ スヒョン2、関本 義秀1 (1. 東京大学、2. Hongik University)
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キーワード:

グラフニューラルネットワーク、サプライチェーンマネジメント、ネットワーク分析、機械学習、企業間取引データ

本研究は、サプライチェーンの安定性と効率性向上に不可欠な中核企業の識別に関する新たなアプローチを提案する。従来の研究では、統計的手法や経済モデルが主流であったが、これらはグラフ構造を直接扱うことができないという本質的な制約を有していた。この課題に対処するため、本研究ではグラフニューラルネットワーク(GNN)を活用した手法を開発した。

日本全国の企業間取引データを用いて、GNNにより商流のグラフ構造を学習し、従来は独立して扱われていたボトルネック企業とコネクターハブ企業を統一的に考慮した各企業の重要度を評価した。この手法により、サプライチェーンにおける中核企業の識別を行った。

実データによる分析結果は、本手法がサプライチェーンの中核企業を効果的に識別できることを実証した。この研究成果は、サプライチェーンマネジメントの高度化に寄与し、企業間ネットワークの理解を深める新たな視座を提供する。