講演情報
[P2-03]都市計画と脱炭素の関連性の解明 ー階層型レコードリンケージを用いた用途地域スケールの炭素会計手法の開発を通してー
*中山 俊1、厳 網林2、藤田 周3 (1. 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科、2. 慶應義塾大学 環境情報学部、3. 慶應義塾大学 SFC研究所)
キーワード:
炭素会計、階層型レコードリンケージ、地理情報システム、空間解像度、都市計画
本研究は、都市計画と脱炭素化の関連を明らかにするため、用途地域スケールの新たな炭素会計手法を開発した。地理情報システムを基盤とし、階層型レコードリンケージにより空間解像度などが異なる多様なデータソースの統合を可能にすることで、従来の産業連関表に依存しない手法を実現した。東京都中央区のエネルギー・水・食料部門に適用し、精度検証と用途地域間の比較を行った。その結果、エネルギー部門は実測値よりやや低く、水部門は実測値よりやや高く算出されることがわかった。また食料部門は東京都の産業連関表ベースからCO2排出量を算出した既報と比較し、その結果本手法の正確性を確認した。さらに、建蔽率・容積率・用途地域によって炭素排出量に顕著な差異があることを明らかにした。この手法により、都市計画規制が炭素排出に与える影響を定量的に評価でき、脱炭素型都市づくりに向けた具体的な施策立案に貢献することが期待される。
