講演情報
[MLIII-4]糖尿病患者の口腔ケア
菅野 直美 (筑波大学 医学医療系 顎口腔外科学)
歯周病は、歯の支持組織に慢性的な炎症を引き起こす疾患であり、う蝕と並んで歯科領域における二大疾患の一つである。近年では、歯周病が単なる口腔内の問題にとどまらず、全身の健康、とりわけ糖尿病との密接な関連性を有することが明らかとなっている。糖尿病患者においては、血糖コ
ントロールが不良な場合に歯周病が重症化しやすく、逆に重度の歯周病が血糖コントロールを悪化させることも報告されている。そのため、歯周病治療は糖尿病管理の一環としても重要な位置づけを持つ。
歯周病治療においては、口腔清掃指導(TBI:Tooth Brushing Instruction)が不可欠な要素であり、プラークコントロールの徹底が治療効果の向上と長期的な安定の鍵を握る。これは糖尿病患者においても同様であり、歯科の臨床現場においては歯科衛生士が中心的な役割を担っている。加えて、歯科医療職に限らず、他の医療職からも患者に対して口腔衛生管理の重要性を伝えることで、より高い説得力が得られ、治療効果の向上が期待される。
さらに、入院中あるいは療養中の糖尿病患者では、他の要因が重なりセルフケアが困難な場合も多い。口腔清掃の介助、義歯の管理といった基本的な口腔ケア介入が必要となることも少なくない。このような患者のQOL 向上および全身管理において多職種連携がかかせないものとなっている。
本講義では、糖尿病と歯周病の双方向的な関連性を概説し、歯周病治療の一般的な流れやTBI を含む具体的なケアの実際について解説する。また、医科歯科連携の意義とその実践的手法についても紹介し、多職種連携の重要性について考察する。
ントロールが不良な場合に歯周病が重症化しやすく、逆に重度の歯周病が血糖コントロールを悪化させることも報告されている。そのため、歯周病治療は糖尿病管理の一環としても重要な位置づけを持つ。
歯周病治療においては、口腔清掃指導(TBI:Tooth Brushing Instruction)が不可欠な要素であり、プラークコントロールの徹底が治療効果の向上と長期的な安定の鍵を握る。これは糖尿病患者においても同様であり、歯科の臨床現場においては歯科衛生士が中心的な役割を担っている。加えて、歯科医療職に限らず、他の医療職からも患者に対して口腔衛生管理の重要性を伝えることで、より高い説得力が得られ、治療効果の向上が期待される。
さらに、入院中あるいは療養中の糖尿病患者では、他の要因が重なりセルフケアが困難な場合も多い。口腔清掃の介助、義歯の管理といった基本的な口腔ケア介入が必要となることも少なくない。このような患者のQOL 向上および全身管理において多職種連携がかかせないものとなっている。
本講義では、糖尿病と歯周病の双方向的な関連性を概説し、歯周病治療の一般的な流れやTBI を含む具体的なケアの実際について解説する。また、医科歯科連携の意義とその実践的手法についても紹介し、多職種連携の重要性について考察する。