講演情報
[S1R6-10]ジルコンメルト包有物を用いた花崗岩質岩体の定置深度見積もり:中新世御内岩体の例「発表賞エントリー」
*谷脇 由華1、下岡 和也1、齊藤 哲1 (1. 愛媛大・院理)
キーワード:
メルト包有物、花崗岩、ジルコン、定置深度
花崗岩質マグマの定置深度は,造山帯の構造発達史から個々の花崗岩体のマグマ過程まで,広い範囲にわたる地質現象の理解に欠かせない基本情報である.本研究では,花崗岩類に普遍的に含まれる鉱物であるジルコンに着目し,そのメルト包有物の組成から花崗岩の定置深度の検討を行った.研究対象は,黒雲母花崗岩を主体とする中新世御内岩体である.メルト包有物は不均質な多相包有物であったため,ピストンシリンダー型高圧発生装置を用いて均質化実験を行った.均質化後のメルト包有物についてEDS分析を行ったところ,花崗岩質組成を持つことを確認した.ハーカー図において,メルト包有物の組成は岩体の全岩化学組成トレンドのSiO2含有量の高いところに位置する.また圧力検討には,メルト組成が石英と長石に飽和していたかの自己評価が可能なRhyolite-MELTS地質圧力計を用いた.その結果,メルト包有物から御内岩体の固結圧力として91±13 MPa(深度3.5km程度)を見積もった.このように, ジルコンメルト包有物の組成解析により, 花崗岩体の定置深度を制約できる可能性がある.
