講演情報
[R1P-02]4D-STEM(電子回折イメージング)の鉱物学への展開に向けて
*三宅 亮1、伊神 洋平1 (1. 京都大学)
キーワード:
電子顕微鏡法、電子回折イメージング、4D-STEM
近年、走査透過電子顕微鏡法(STEM)で絞った電子プローブを2次元(2D)状に走査し、それと同期して2次元検出器を用いて、各プローブ位置での電子回折図形(2Dの回折パターン)のデータを記録して4次元(4D)の配列データを取得する、4D-STEM(電子回折イメージング)と呼ばれる手法が注目され、広く用いられている[1]。これにより、格子定数や方位、相マップ、歪解析などを得ることが可能となるなど、今後鉱物学/地球惑星科学の分野でも広く用いられることになると思われる。そこで、昨年の日本鉱物科学会2025年年会において、伊神・三宅は「電子回折イメージングによる鉱物の階層的構造評価やその地球惑星科学応用」として、京都大学に設置しているTEM(JEOL社, JEM-2100F)を用いて構築した、スクリプト制御(Gatan社, Digistal Micrograph)により電子線ナノプローブ走査(Gatan社, DigiScan II)とCCDカメラ(Gatan社, Orius200D)との回折図形取り込みの同期を取ることにより、鉱物試料から回折イメージング4D配列データを取得し、解析するシステムについて紹介した。このシステムでは、オリジナル開発したスクリプトにより簡単なGUIを準備し、ビーム走査のキャリブレーション機能をつけて、様々なビーム条件/走査範囲に対して歪みを抑えたビーム走査を可能とした。一方で、このシステムでは、CCDカメラやスクリプト制御により電子プローブの走査を行うため、データの取得には数分~数十分の時間がかかるなどの課題があった。また、今後のさらなる発展、例えば高温その場観察やインデントその場観察などを行う上で、このスクリプト制御よりも1~2桁速いスピードでの取り込みが必要だと考えていた。さらには、電子線損傷を抑えるため、照射電流量をおさえても電子回折図形が得られる必要があると考えていた。そこで今回既存のTEMに、新たな「ハイブリッド型」電子直接検出器(Dectris社, QUADRO)とそれに対応するスキャンジェネレーター(point electronic社, REVOLON)を導入した。これにより従来のスクリプト制御による4D-STEM取得にくらべて、1桁以上速いスピードで4D-STEMデータを取り込むことが可能となった。本発表では、この新たに導入したシステムの具体的な内容や研究例について紹介したい。また、より具体的な鉱物学/地球惑星科学への適用例について、本年会での伊神ほかなどの発表にて紹介する。
Reference
[1] Ophus, C. (2019) Microsc. Microanal. 25, 563.
Reference
[1] Ophus, C. (2019) Microsc. Microanal. 25, 563.
