講演情報
[R3P-10]ブルーサイトの高温高圧下中性子回折実験と水素同位体効果
*佐野 亜沙美1 (1. 日本原子力研究開発機構)
キーワード:
ブルーサイト、中性子回折、高温高圧
層状水酸化物のブルーサイト(Mg(OH)2)は、沈み込む海洋プレートにおける含水鉱物のアナログ物質として広く研究対象となってきた。先行研究では、ブルーサイトと水の間の同位体分配係数に圧力効果が存在することが報告されており、これはMg(OH)2とMg(OD)2の単位格子体積の差が圧力とともに増大することと関連づけて議論されてきた(Horita et al., 1999, 2010)。しかし、これまでのブルーサイトの水素位置を含む結晶構造に関する研究は常温高圧下や低温常圧下での実験に基づいており、実際の地球内部条件における同位体効果とその原因を議論するためには、温度と圧力の両パラメータを考慮したその場観察が必要である。本研究では、Mg(OH)2とMg(OD)2の結晶構造を直接比較することを目的として、高温高圧条件下におけるブルーサイトの中性子回折実験を行った。また、両者の体積差から換算分配係数を導出し、水素同位体分配係数の温度・圧力依存性を評価することで、地球深部の水循環に伴う水素同位体組成の不均一が生じうるかを検討した。
実験はJ-PARC MLFの超高圧中性子回折装置PLANET(BL11)にて行った。試料には水熱合成したMg(OH)2またはMg(OD)2を用い、6軸型マルチアンビル装置を用いて最大12 GPa、1000 Kまでの高温高圧条件下で中性子回折パターンを取得した。試料はMA6-6セル内の白金カプセルに密封し、圧力はPtの格子定数を用いて求めた。得られた回折データに対してリートベルト解析を行い、原子位置の精密化を行うとともに、降温・減圧過程での測定を通じて等温圧縮曲線を取得し、格子体積に与える同位体効果を調べた。実験では加圧に伴い回折パターンは著しくブロードニングしたが、高圧下における加熱によりシャープになる様子が観測された。常温における格子体積の差は圧力とともに小さくなる傾向にあり、それに伴い換算分配係数の圧力依存性も小さくなることが示唆される結果となった。
実験はJ-PARC MLFの超高圧中性子回折装置PLANET(BL11)にて行った。試料には水熱合成したMg(OH)2またはMg(OD)2を用い、6軸型マルチアンビル装置を用いて最大12 GPa、1000 Kまでの高温高圧条件下で中性子回折パターンを取得した。試料はMA6-6セル内の白金カプセルに密封し、圧力はPtの格子定数を用いて求めた。得られた回折データに対してリートベルト解析を行い、原子位置の精密化を行うとともに、降温・減圧過程での測定を通じて等温圧縮曲線を取得し、格子体積に与える同位体効果を調べた。実験では加圧に伴い回折パターンは著しくブロードニングしたが、高圧下における加熱によりシャープになる様子が観測された。常温における格子体積の差は圧力とともに小さくなる傾向にあり、それに伴い換算分配係数の圧力依存性も小さくなることが示唆される結果となった。
