講演情報
[R5-13]惑星探査リターンサンプルの物性測定 ― はやぶさ2から将来のミッションへ ―
*田中 智1、小野寺 圭祐2、石崎 拓也1 (1. 宇宙科学研究所、2. 岡山大学惑星物質研究所)
キーワード:
サンプルリターン、はやぶさ2、物性測定
惑星探査におけるサンプルリターンは、地球上の最先端分析技術を用いて天体物質の鉱物学的・化学的特徴を直接的に詳細解明できる唯一の手法である。リターンサンプルから得られる情報は組成や鉱物学にとどまらず、密度、空隙率、弾性波速度、強度、熱物性、電気・磁気特性などの物性測定を組み合わせることによって、天体形成・進化を支配した物理過程を理解するための重要な制約条件を与える。
小惑星リュウグウから持ち帰られた「はやぶさ2」試料は、世界で初めて炭素質小惑星試料に対する包括的な物性測定が実施された例となった。試料回収以前から分野横断的な物性測定チームを組織し、限られた試料量に対応した測定技術を開発することで、機械、熱、電気、磁気の4分野16項目に及ぶ物性データを取得した。これらのデータは、リモートセンシング観測から推定されていた熱慣性や表層強度を直接検証するとともに、リュウグウ表層が細粒レゴリスによって覆われている可能性など、新たな表層形成モデルの提案につながった。さらに、取得した物性値は天体形成シミュレーションや衝突・進化モデルに対する基礎パラメータとして利用され、観測と理論を結び付ける重要な役割を果たしている。
現在、惑星探査は小惑星だけでなく、火星衛星、彗星、さらには外惑星衛星へと対象を広げつつある。これらの探査では、限られた量のサンプルから最大限の科学成果を引き出すため、鉱物学・地球化学と物性科学を融合した総合的解析がますます重要になる。また、リターンサンプルによる室内分析と、探査機によるリモートセンシングやその場物性計測を統合することで、試料の局所情報を天体スケールへと展開する新しい惑星科学が期待される。
本講演では、「はやぶさ2」リターンサンプルの物性測定で得られた成果を紹介するとともに、今後のサンプルリターンミッションやその場観測との連携を見据え、物性測定が惑星物質科学および将来の惑星探査に果たす役割について展望する。
小惑星リュウグウから持ち帰られた「はやぶさ2」試料は、世界で初めて炭素質小惑星試料に対する包括的な物性測定が実施された例となった。試料回収以前から分野横断的な物性測定チームを組織し、限られた試料量に対応した測定技術を開発することで、機械、熱、電気、磁気の4分野16項目に及ぶ物性データを取得した。これらのデータは、リモートセンシング観測から推定されていた熱慣性や表層強度を直接検証するとともに、リュウグウ表層が細粒レゴリスによって覆われている可能性など、新たな表層形成モデルの提案につながった。さらに、取得した物性値は天体形成シミュレーションや衝突・進化モデルに対する基礎パラメータとして利用され、観測と理論を結び付ける重要な役割を果たしている。
現在、惑星探査は小惑星だけでなく、火星衛星、彗星、さらには外惑星衛星へと対象を広げつつある。これらの探査では、限られた量のサンプルから最大限の科学成果を引き出すため、鉱物学・地球化学と物性科学を融合した総合的解析がますます重要になる。また、リターンサンプルによる室内分析と、探査機によるリモートセンシングやその場物性計測を統合することで、試料の局所情報を天体スケールへと展開する新しい惑星科学が期待される。
本講演では、「はやぶさ2」リターンサンプルの物性測定で得られた成果を紹介するとともに、今後のサンプルリターンミッションやその場観測との連携を見据え、物性測定が惑星物質科学および将来の惑星探査に果たす役割について展望する。
