講演情報
[R5P-07]炭素質コンドライトNWA11469におけるGoethite変質構造を用いた地球滞在年代推定法の検討
*豊永 千夏1、Bradak Balazs1、山本 竜暉1、瀬戸 雄介2、Kereszturi Akos3 (1. 神戸大学大学院 海事科学研究科、2. 大阪公立大・院理、3. ハンガリー天文地球研・コンコリ研)
キーワード:
炭素質コンドライト、ゲーサイト、地球滞在年代、走査型電子顕微鏡
発見隕石は落下が観測されておらず、地球滞在年代が推定されていないものが大部分を占める。地球環境へ到達した隕石中のFe-Ni金属や硫化物は、大気中の酸素や水との反応によりアカガネイトやゲーサイトなどの二次鉱物へ変質することが知られている。このため、酸化・含水酸化鉄鉱物への変質の進行量は隕石の地球滞在期間を反映している可能性があるが、その変質範囲を定量化し、地球滞在年代推定へ応用した研究はほとんどない。本研究で対象としたNWA11469は、2016年にアルジェリアで発見されたCO3型炭素質コンドライトである。本隕石は比較的始原的な組織を保持する一方、XRDによるバルク鉱物組成では約23.9 vol%のゲーサイトが報告されており、他のサハラ産炭素質コンドライトと比較しても高い含有量を示す。しかし、その形成組織や変質の進行範囲については十分に検討されていない。そこで、SEM/EDS観察によりゲーサイトの産状を調査するとともに、QGISを用いてコンドリュール周囲に形成されるリムおよび部分的にゲーサイトへ置換された鉄粒子の変質範囲を定量化した。さらに、地球滞在年代(約23 ± 2 kyr)が既知である西サハラ産エンスタタイトコンドライトAl Haggounia 001との比較により、変質範囲と地球滞在年代との対応について検討した。本研究は、隕石中に形成された酸化・含水酸化鉄鉱物の変質範囲を定量化し、地球滞在年代推定への応用可能性を検討する初期的な試みである。
