講演情報
[R6P-01]部分溶融状態から深成岩までの二面角遷移
*火原 諒子1、平賀 岳彦1 (1. 東京大学 地震研究所)
キーワード:
部分溶融、苦土橄欖石、透輝石、深成岩
深成岩に見られる多様な組織は、部分溶融時の固液間平衡構造を反映した組織から、完全結晶化後の固相間平衡組織までの遷移過程によって生み出されている可能性がある。特に、部分溶融メルトと鉱物粒子間に発達する固体-液体界面形状と結晶化後の鉱物粒子間同士に発達する固体-固体界面形状は大きく異なり、その変化の進行度が、鉱物粒子間に発達する二面角およびその周囲の界面形状に反映されている可能性がある。これらの遷移構造の詳細を明らかにすることは、岩石組織から岩石の冷却史などの地質学的情報を引き出せる手法確立に繋がる。火原(2025, 修士論文)ではForsterite(92 vol.%)、Diopside(8 vol.%)組成の高緻密多結晶体試料を用いた岩石実験から、部分溶融岩組織から深成岩組織への遷移は界面エネルギーを駆動力とした原子の粒界拡散によって生じたことが推定された。一方で、独自の二面角解析手法を用いた二面角角度のヒストグラムが正規分布とは異なる分布を示し、計測手法の正確性に疑問が残った。二面角解析では、組織の画像データから正確に局所的な二面角θを計測するために、Matlabを用いた二面角θの解析手法を準備した。それぞれの粒界の曲率半径(r1, r2)と、その中心座標(c1x,c1y)、(c2x,c2y)を用いて、三辺の長さがそれぞれ√ {(c2x - c1x)2 + (c2y - c1y)2 }、r1、 r2の三角形を得る。この三角形に対して余弦定理を用いることでθ1、θ2を計算し、二面角θ=θ1+θ2を得る。火原(2025, 修士論文)では粒界の曲率の計測に粒界の三点の座標を手動で取得しており、座標の取得場所による誤差が生じていた。そこで本発表では、「局所的」の定義を粒径分布から数値的に再定義し二面角解析を行った。部分溶融から結晶化した直後の二面角は鋭角であった一方で、部分溶融後に長時間サブソリダス温度で保持した試料の二面角は、実験前の101°にほぼ同等の105°になった。本発表ではさらにデータを加え、部分溶融の生じていない試料と比較し、議論を行う。
