講演情報
[R6P-08]WD-XRFによる黒曜石遺物の非破壊分析法の開発
*亀井 淳志1 (1. 島根大学)
キーワード:
黒曜石遺物、WD-XRF、非破壊分析
黒曜石の産地推定研究は,先史時代の人類移動や交易ネットワーク,文化的交流の解明に重要な役割を果たしている.近年,非破壊分析法が広く用いられている一方で,表面に凹凸を有する遺物の定量分析は依然として困難がある.本研究では,凹凸を持つ黒曜石遺物を直接かつ非破壊で自動定量分析できる新しい波長分散型蛍光X線分析(WD-XRF)法を開発した.
西日本の10地点より化学組成が異なる黒曜石試料を採取し,ガラスビード法による定量分析と研磨面を持つ標準板を作成した.これをもとに標準版による黒曜石専用検量線を構築した.その結果,従来のガラスビード法によるWD-XRFと遜色のない黒曜石の研磨片直接分析法が完成した.さらに,表面凹凸を有する黒曜石試料を人工的に作成し,凹凸程度の増加に伴って主要元素総量が減少し,同時に測定元素濃度が低下することを認めた.この関係に基づき,表面形状の影響を補正するための補正法を開発した.
本手法を島根県で出土した縄文時代の黒曜石遺物に適用した結果,ガラスビード法による高精度なWD-XRF原産地データベースと直接比較可能な化学組成を取得できることが認められた.この分析手順は完全自動化に対応しており,多数の遺物を効率的に処理できる.本手法は,高精度な地球化学データベースと遺物の非破壊分析を結び付ける実用的な枠組みを提供し,多数の試料を用いた先史時代の交易・流通ネットワークの大規模復元研究に新たな可能性をもたらす.
西日本の10地点より化学組成が異なる黒曜石試料を採取し,ガラスビード法による定量分析と研磨面を持つ標準板を作成した.これをもとに標準版による黒曜石専用検量線を構築した.その結果,従来のガラスビード法によるWD-XRFと遜色のない黒曜石の研磨片直接分析法が完成した.さらに,表面凹凸を有する黒曜石試料を人工的に作成し,凹凸程度の増加に伴って主要元素総量が減少し,同時に測定元素濃度が低下することを認めた.この関係に基づき,表面形状の影響を補正するための補正法を開発した.
本手法を島根県で出土した縄文時代の黒曜石遺物に適用した結果,ガラスビード法による高精度なWD-XRF原産地データベースと直接比較可能な化学組成を取得できることが認められた.この分析手順は完全自動化に対応しており,多数の遺物を効率的に処理できる.本手法は,高精度な地球化学データベースと遺物の非破壊分析を結び付ける実用的な枠組みを提供し,多数の試料を用いた先史時代の交易・流通ネットワークの大規模復元研究に新たな可能性をもたらす.
