講演情報
[R8-06]南極、スカレビークハルセンの石灰珪質グラニュライトに見られる多様な後退変成(再考)
*廣井 美邦1、外田 智千、足立 達朗、ダンクレー ダニエル、サティッシュークマール マドスーダン、本吉 洋一 (1. 無所属)
キーワード:
ジルコン、渦巻成長石墨、ルチル、後退変成時温度ー圧力経路
表題地域のドロマイト質石灰珪質グラニュライト中には多様なノジュール状岩塊が産出し、異った記載岩石学的特徴を示している。ここでは近接して産出する2つの試料(YH05011501BとYH05011501C)について記載し、特に変成年代と後退変成時の温度‐圧力経路について報告する。試料Bは主としてCa角閃石、柱石、方解石によって構成されており、少量の単斜輝石とカンラン石を伴う。方解石を含むフロゴパイトの外皮によって完全に包囲されている。柱石は細粒白雲母によってさまざまな程度に置換されている。この試料には粗粒で反復累帯構造を示すジルコンが多産する。ほとんどのジルコンは溶融、再成長、再結晶の改変を受けており、同一粒の異なる部分から608 Maと534 MaのU-Pb SHRIMP年代値が得られる。試料Cはルチル、サフィリン、スピネル、菫青石、灰長石、Ca角閃石、フロゴパイト、タルク、マグネサイト、ドロマイト等によって構成されており、渦巻成長丘を保持した石墨を含有している。渦巻成長丘を保持した石墨は菫青石、灰長石、タルク、ドロマイトと直接に接しており、後退変成時に低炭素過飽和度の流体から生成したものと考えられる。スピネルはコランダム+マグネサイトの集合体によって、また灰長石は細粒白雲母によって部分的に置換されていることが多い。タルク+マグネサイト±石墨の連晶はエンスタタイトあるいはフォルステライトの仮像と考えられる。粗粒のルチルとマグネサイトの共存はピーク時および後退変成時の温度ー圧力経路を限定する。

