9月13日 公開講演会(一般公開)
公開講演会『雪と気象の150年 ―北海道の観測が語る環境とくらし―』を実施しました
2026年9月13日(日),雪氷研究大会(2026・北見)の公開講演会『雪と気象の150年 ―北海道の観測が語る環境とくらし―』を開催し、「気象観測150年」をテーマに、気象観測の歴史や最新の研究成果、地域防災への活用について講演とパネルトークを実施しました。ご来場の皆さま、ありがとうございました。
- 主催:雪氷研究大会(2026・北見)実行委員会
- 共催:気象庁札幌管区気象台,北見工業大学地域と歩む防災研究センター
- 後援:自然災害研究協議会(本部:京都大学防災研究所)北海道地区部会
※当日,会場で収録した動画を公開します(機器の不具合のためスライド表示がありません。ご容赦ください)。公開期間は2026年12月31日までです。
講演1 「北海道の気象観測150年 ―北海道の気象の記録をひもとく―」
関野裕功氏(札幌管区気象台 気象防災部長)から、北海道における気象観測の150年の歩みについて講演いただきました。札幌農学校時代に始まった気象観測の歴史や、観測地点の変遷、観測機器の発展、自動観測や気象レーダー、衛星観測の導入など、観測技術の進歩について紹介がありました。
また、洞爺丸台風や北海道の豪雨・暴風雪災害などを例に、観測網や防災気象情報の高度化が進められてきた経緯が説明されるとともに、近年の気候変動による気温上昇や降水の変化、今後の観測・予測技術の展望についても紹介されました。

講演2 「観測データが支える雪氷研究と地域防災」
尾関俊浩教授(北海道教育大学札幌校 キャンパス長)からは、観測データを活用した雪氷研究と地域防災について講演いただきました。日本雪氷学会北海道支部が実施している大雪災害や雪崩災害の現地調査を紹介し、積雪深や積雪水量、雪質などを詳細に観測することで災害発生の要因を解明していることが説明されました。
さらに、岩見沢豪雪や札幌大雪などの事例をもとに、気象データと積雪観測データを組み合わせた解析の重要性が示されました。また、雪崩研究では実際に現地で雪を掘り、積雪内部の構造や弱層を観察することの意義が紹介され、次世代の研究者や技術者の育成の重要性についても言及されました。

パネルトーク
パネルトークでは、「雪と気象の未来」をテーマに、講演者と参加者による意見交換が行われました。気象観測の現場で直面する課題や、大雪・暴風雪時の防災情報の活用、気候変動によって変化する北海道の雪と気象の特徴などについて議論が交わされました。
また、若い世代へのメッセージとして、関野裕功氏からは「変化する気象に対応するためには新しい技術や研究への挑戦が重要である」との提言があり、尾関俊浩教授からは「実際に現場へ行き、雪や自然を自ら観察することの大切さ」が語られました。観測と研究を次世代へ継承していくことの重要性を再確認する機会となりました。

また会場入口ではパネル・計測器の展示も行われました。


