講演情報

[P3-05]話しことばの文法と現場性

*定延 利之1 (1. 京都大学)

キーワード:

話しことば、文法、現場性、修飾

言語とは発話の現場(いつ・どこで・誰が・誰に話すか)とは切り離された、脱現場的(displaced)な存在であるというのが伝統的な言語観である(例:Hockett 1960)。たしかに、たとえばいま、ここにあるリンゴも、昨日食べたリンゴも語「リンゴ」で表せるように、語彙は、(「これ」「あっち」などの僅かな直示語を除けば)脱現場的である。だが、語彙から文法に目を移すと、特に話しことばの文法は、発話の現場に踏み込んだ形で成り立っていることがわかる。本発表ではこのことを、現代日本語(共通語)の話しことばに見られる卑近な諸現象を通して示す。