講演情報
[P3-33-A]自閉スペクトラム症傾向が三項判断に与える影響の検討
*岩淵 汐音1、西川 菜月2、櫻 哲郎1、熊崎 博一2、植田 一博1 (1. 東京大学、2. 長崎大学)
キーワード:
自閉スペクトラム症
自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)者は,局所的な情報処理が優位であり,文脈に基づく情報統合に困難を示すとされる(弱い中心的統合仮説).一方,東洋文化圏の定型発達(Typically Developing,TD)者は,対象を文脈に基づいて捉える文脈依存的な判断傾向を示すことが知られている.しかし,日本人においてASD傾向の個人差が,こうした文化的傾向とどのように相互作用し,単語のカテゴリー化における判断基準に影響を与えるかは十分に検討されていない.本研究では,三項関係課題を用い,ASD傾向の程度と判断基準(分類学的 vs. 主題的)関係を検討した.その結果,ASD傾向が高い参加者ほど,文脈に依存しない分類学的基準に基づく選択を行う割合が高いことが示された.本知見は,ASD傾向が文化的に形成された文脈依存的な思考傾向とは独立に,対象の捉え方に影響を与える可能性を示唆しており,日常的なコミュニケーションにおける認識のずれの理解に寄与するものである.
