講演情報

[AAS08-P19]ひまわり衛星画像およびXバンドレーダー画像による桜島噴火後の火山灰動向把握

*横山 慎人1、大橋 勝文1 (1.鹿児島大学)

キーワード:

火山灰、Xバンドレーダー、ひまわり8/9号画像

活火山である桜島は,頻繁に噴火を繰り返し,周辺地域に降灰被害をもたらす。そのため,噴火後の火山灰分布を把握するXバンドレーダーなどの計測器が設置されている。これらの観測では,桜島周囲の降灰分布を把握することが可能だが,噴火が高度2500 m にも及ぶ噴火後の火山灰が桜島の周囲を離れ水平線を越えてどのように移動していくか把握することは難しい。気象衛星ひまわり8/9号は,日本を含む西太平洋領域を観測範囲にもち,常時同じ場所を10 分間隔で観測しているため,火山灰の挙動把握が期待される。この衛星は,可視領域3 バンド,近赤外線領域3 バンド,赤外線領域10 バンドの合計16 バンドの波長域の画像を観測している。衛星画像には火山灰と雲が写っており,火山灰の分布を把握するためには,火山灰と雲を区別する解析アルゴリズムを開発する必要がある。以前、ひまわり8/9号の16バンドの画像と差分画像をRandom Forestによる火山灰把握を試みたが、ひまわり8/9号画像を人の目で火山灰を特定した教師データでは火山灰判別のフィルタの精度を上げることが難しかった。そこで、ひまわり8/9号の16バンドの画像と差分画像だけでなく、垂水に設置されているXバンドレーダー観察で特定された火山灰分布を教師データとした気象庁のデータから推定した地上温度分布を加えたデータを準備した。地上/海面、雲、火山灰を分類するルールをロジスティック回帰による機械学習をよって決定することで、火山灰分布把握の精度を上げることを目的とした。
Xバンドレーダデータによる火山灰分布の教師データは、次のように作成した。まず、2015年7月以降に発生した桜島噴火イベントで噴火高度2500m以上の噴火30分前、噴火2時間後のXバンドレーダーの生データを国土交通省のデータベースからダウンロードした。その後、Melnikovらが提案したレーダー方程式を適用し、補正のかかっていない純粋な反射値のデータを得た。そのデータに対して、噴火後に拡散する火山灰に対して3Dラベリングを適用し、ノイズの除去を行った。ひまわり8/9号の画像の時間に同期したXバンドレーダーによる火山灰分布画像を作成した。
地上の気温分布を利用することで、ひまわり8/9号の赤外線画像による雲等のない地面・海面、火山灰、雲の判定をより正確に行った。ひまわり8/9号の複数波長の画像および異なる波長の差分特性、Xバンドレーダー、地上の気温分布と異なる情報源からのデータによる機械学習により、ひまわり8/ 9号画像から火山灰の分布を特定するルールを得た。特に、6.95μmと7.35μmの差分画像、10.45μm と11.20μmの差分画像が、火山灰の分布や挙動を強く示した。
機械学習により得たルールにより、まず、ひまわり8/ 9号の赤外線温度分布と地上気温分布から上空が何もない地面もしくは海面と火山灰もしくは雲を区分けし、その後、火山灰と雲を区分けすることで、ひまわり8/ 9号画像の約2km四方のピクセルを地上・海面、雲、火山灰のラベリングを行った。また、噴火後の火山灰分布を時系列で並べることで、火山灰の動向を追った。