講演情報
[AAS08-P23]GOSAT-2搭載の雲カメラによるTANSO-FTS-2観測視野内雲被覆率推定の精度評価
*廣瀬 誠史1、齋藤 尚子1 (1.千葉大学 環境リモートセンシング研究センター)
キーワード:
GOSAT-2、インテリジェントポインティング機能、ひまわり8号/AHI、雲判定
GOSAT-2/TANSO-FTS-2による温室効果ガスの観測においては、観測点毎に観測視野内の雲判定を実施して晴天と判定された場合のみ温室効果ガス濃度の導出処理を行っている。GOSAT-2では可視モニタカメラでTANSO-FTS-2の観測視野を撮像し、雲を避けて観測を行うことを目的とした「インテリジェントポインティング機能」が追加された。本研究では、GOSAT-2で新たに導入されたインテリジェントポインティング機能がTANSO-FTS-2観測視野内の雲を正しく識別し、期待通りに機能しているかについて、ひまわり8号/AHIの反射率と輝度温度データを用いて評価を行った。
まず、2020年の1、4、7、10月の各季節のひまわり8号/AHIによる観測とTANSO-FTS-2の観測が同期する海上の観測シーンを抽出し、同期したひまわり8号/AHIの反射率および輝度温度のデータを用いて、TANSO-FTS-2の観測視野内で各種の雲判定テストを実施し、視野内の雲被覆率を計算した。ひまわり8号/AHIデータを使用した雲判定手法は、MODISの雲判定[Ackerman et al., 1998; MODIS MOD35 ATBD, 2010]を参考にし、先行研究[齋藤・北村, 2021]の手法を踏襲して雲判定テストの閾値を設定した。そのうえで、ひまわり8号/AHIデータによる雲判定に基づく雲被覆率とインテリジェントポインティング機能で推定された雲被覆率との差で定義される「H8-IP」を算出した。
全体として、両者の雲被覆率が概ね一致する割合(H8-IPが±0.1)は1月に最も高く(37.8%)、7月に最も低くなり(29.8%)、インテリジェントポインティング機能が雲を見逃した可能性が高い割合(> 0.7)は10月に最も高く(28.1%)、4月に最も低い(19.7%)傾向があった。どの緯度帯においても、ひまわり8号の雲被覆率の方がインテリジェントポインティング機能の雲被覆率より大きいシーンの割合が高かった。さらに季節別、緯度帯別の特徴として、特に両極の中緯度帯の冬季において、インテリジェントポインティング機能が雲を見逃しているシーンが多い傾向が見られた一方、中緯度帯の夏季についてはH8-IPが±0.1の割合が高く、インテリジェントポインティング機能による雲の見逃しが少ないことがわかった。
さらに、ひまわり8号/AHIの雲判定テストのカテゴリー分類(「下層雲」、「高層の厚い雲」、「高層の薄い雲」)に基づき詳細な評価を行った結果、インテリジェントポインティング機能は下層の厚い雲を高い精度で検知しており見逃しが少ない一方で、巻雲に代表される「高層の薄い雲」については見逃している可能性が高いことがわかった。特に、中緯度帯の冬季においてインテリジェントポインティング機能が見逃した雲は、ひまわり8号/AHIの熱赤外バンドによる雲判定テストで検知された雲種、すなわち高層雲である可能性が高いことが示唆された。今後は、可視RGBカメラという特性のためにインテリジェントポインティング機能で見逃した雲を、続くTANSO-CAI-2やTANSO-FTS-2のSWIRバンドによる雲判定で検知されているかを調べる必要がある。
まず、2020年の1、4、7、10月の各季節のひまわり8号/AHIによる観測とTANSO-FTS-2の観測が同期する海上の観測シーンを抽出し、同期したひまわり8号/AHIの反射率および輝度温度のデータを用いて、TANSO-FTS-2の観測視野内で各種の雲判定テストを実施し、視野内の雲被覆率を計算した。ひまわり8号/AHIデータを使用した雲判定手法は、MODISの雲判定[Ackerman et al., 1998; MODIS MOD35 ATBD, 2010]を参考にし、先行研究[齋藤・北村, 2021]の手法を踏襲して雲判定テストの閾値を設定した。そのうえで、ひまわり8号/AHIデータによる雲判定に基づく雲被覆率とインテリジェントポインティング機能で推定された雲被覆率との差で定義される「H8-IP」を算出した。
全体として、両者の雲被覆率が概ね一致する割合(H8-IPが±0.1)は1月に最も高く(37.8%)、7月に最も低くなり(29.8%)、インテリジェントポインティング機能が雲を見逃した可能性が高い割合(> 0.7)は10月に最も高く(28.1%)、4月に最も低い(19.7%)傾向があった。どの緯度帯においても、ひまわり8号の雲被覆率の方がインテリジェントポインティング機能の雲被覆率より大きいシーンの割合が高かった。さらに季節別、緯度帯別の特徴として、特に両極の中緯度帯の冬季において、インテリジェントポインティング機能が雲を見逃しているシーンが多い傾向が見られた一方、中緯度帯の夏季についてはH8-IPが±0.1の割合が高く、インテリジェントポインティング機能による雲の見逃しが少ないことがわかった。
さらに、ひまわり8号/AHIの雲判定テストのカテゴリー分類(「下層雲」、「高層の厚い雲」、「高層の薄い雲」)に基づき詳細な評価を行った結果、インテリジェントポインティング機能は下層の厚い雲を高い精度で検知しており見逃しが少ない一方で、巻雲に代表される「高層の薄い雲」については見逃している可能性が高いことがわかった。特に、中緯度帯の冬季においてインテリジェントポインティング機能が見逃した雲は、ひまわり8号/AHIの熱赤外バンドによる雲判定テストで検知された雲種、すなわち高層雲である可能性が高いことが示唆された。今後は、可視RGBカメラという特性のためにインテリジェントポインティング機能で見逃した雲を、続くTANSO-CAI-2やTANSO-FTS-2のSWIRバンドによる雲判定で検知されているかを調べる必要がある。
