講演情報

[AAS15-P03]朝鮮半島の山岳による移動性高低気圧の強化

*大関 章夫1、立花 義裕1、小川 史明1 (1.三重大学)

キーワード:

日本海、移動性高低気圧、数値モデル、標高改変

朝鮮半島の山岳は,冬季に日本海上で発生・発達する移動性低気圧を強化することが知られている.本研究では,山岳による大気の傾圧性の強化に着目して,高気圧と低気圧を含む移動性擾乱活動が強化されるメカニズムを解明することを目的とする.地形による移動性擾乱活動への影響を知ることは,日本海周辺の気候の理解や日本列島における日々の気象の理解において重要である.
領域気象モデルWRFを用いた標高改変実験によって,山岳による影響の評価を行った.また,WRFによって得られた各変数を,7日間移動平均を用いて背景場と擾乱場に分けることで,山岳の影響を移動性擾乱への影響とより大規模な背景場への影響に切り分けた上で解析を行った.
解析の結果,山岳が背景場の東西風鉛直シアを強化し,静的安定度を低下させることが示された.さらに,南北温度勾配の強化が見られ,双極子的なジオポテンシャル高度の分布が形成されていることが判明した.また,山岳が擾乱場の極向き熱フラックスと運動エネルギーを強化していることが確認された.
以上の結果から,朝鮮半島の山岳は,北西季節風による大陸から日本海への寒気流入をブロックすることで,日本海上での背景場の傾圧性を鉛直シアと南北温度勾配の両面から強化し,加えて,静的安定度を低下させることで,移動性擾乱活動を強化すると結論付けた.