講演情報
[AOS25-P06]駿河湾および駿河湾に注ぐ一級河川流域の降水量の時間変動について
*雨宮 美月1 (1.東海大学大学院海洋学研究科)
キーワード:
降水量
駿河湾は湾口が南に大きく開いていることから,表層のみならず,中深層まで外洋水の影響があると考えてられている一方,大井川,安倍川,富士川,狩野川という4 つの1 級河川があることから,陸域の影響が非常に大きいと考えられている.したがって,駿河湾の水塊構造を理解するには,駿河湾と外洋との相互作用,駿河湾と陸域との相互作用の理解が重要である.しかしながら,駿河湾湾口は2500 m と極めて深く,湾口断面の流束は未だわがかっていないし,河川流量等も欠測値が多く,駿河湾にどの程度の淡水フラックスがあるのかわかっていない.そこで本研究では,陸域と駿河湾の相互作用を明らかにするために,駿河湾およびそこへ流入している各1 級河川流域内の降水量から,駿河湾の淡水供給量の時間変化を求めることを目的とした.用いたデータは気象庁のレーダー観測による雨量強度である(約1km²格子). また各河川の支流を含む位置と流域境界を設定するために,国土交通省による流域メッシュデータを使用した.対象期間は2006 年から2022年の17 年間である.用いた格子データから,各流域面積は大井川1380 km²,安倍川565 km², 富士川4080 km²,狩野川887 km².駿河湾は2168 km²であった.これに基づいた駿河湾に流入する各河川流域の17 年間における雨量の季節変化は,7 月と9 月にピークを持ち,冬季に降水量が少ないいわゆるM 字型の特徴を示した.これは西南太平洋型(草薙,2016) の特徴に当てはまり,過去の知見と整合的である.駿河湾に直接入る雨量も同様の季節変化であった.また各河川流域の年間降水量の経年変動は,2013 年に最小(1599 mm),2011 年(2308 mm) と2019 年(2352 mm) にピークを持ち,2019 年以降減少している. そして17 年間の4 河川流域内平均降水量は2048 mm であった.当日は,この17 年間における駿河湾の淡水供給量について議論する.
