講演情報
[AOS26-P06]北海道美国漁港におけるインターバルカメラを用いた魚類観察による高波浪避難場機能の評価
*梶原 瑠美子1、安 孝珍1、白井 さわこ1、布川 雅典2、藤渕 和夏3、大橋 正臣3、門谷 茂4 (1.国立研究開発法人 土木研究所 寒地土木研究所、2.吉備国際大学、3.東海大学、4.北海道大学)
キーワード:
漁港、魚類行動、高波浪避難場機能、インターバル撮影
魚類が高波浪や洪水時にどのような場所で撹乱を回避しているのかについては、釣り人のみならず研究者の大きな関心事である。漁港などの沿岸施設は、漁船からの漁獲物の安全な陸揚げなどの本来的機能に加え、高波浪からの水産生物の避難場といった保護育成機能を副次的に有していることが少しずつ知られてきた。水産生産上重要な位置づけにある北海道周辺においては、こうした保護育成機能の強化への需要は大きいが、寒冷海域での保護育成機能のメカニズムに関する研究は少ない。特に、波高による魚類行動への影響を現地観測した事例や、波高に基づいた漁港の高波浪からの避難場機能に関する知見は乏しい。そこで、これまで北海道南西部に位置する寿都漁港において港口部でのインターバル写真撮影や港内外でのバイオテレメトリー調査とともに波高観測や波動場解析を行った。それにより、①魚類の出現個体数や出現率は有義波高が大きくなるに従い減少していたことから、魚類の行動は波高の影響を受けていること(梶原ら2021)、②高波高時においても港口より港奥部では波高が低く、高波高時に漁港内へとクロソイが移動することが確認されたことから、静穏な港内は高波浪からの避難場として機能していることが示唆されたこと(JpGU2023)を報告した。本研究では、さらなる知見を増やすべく、北海道西部の河川に隣接する美国漁港において魚類のインターバル写真撮影とともに、流速や波高観測を行うことにより、魚類行動と流動環境との関係を調べ、さらに非河口域の寿都漁港との比較を行うことにより、美国漁港での魚類生息状況の特徴を明らかにするとともに、港内における魚類の高波浪からの避難場機能について評価することとした。
美国漁港では、日中や濁りがなくカメラ撮影ができていた有効撮影時に、有義波高は港外St.Bでは最大3.8 m、港内中央部のSt.Aでは最大でも0.3 m以下であった。また、インターバルカメラ撮影を行った港口部のSt.7の根固ブロック上の流速は、9 cm/s以下であった。美国漁港St.7で約1年間に渡りインターバル撮影した写真では、潜水調査やネット採取なども行った寿都漁港に比べ確認された分類群は少なかったが、寿都漁港で確認されなかった分類群も出現していた。特に、6月から11月にかけては出現する分類群が増えていた。魚類の出現個体数や出現率は、港内St.Aおよび港外St.Bの有義波高、カメラ付近St.7の流速との関係がみられなかった。寿都漁港においては、算出した有義波高と魚類の出現との関係は、波高が0.2 mから出現率が徐々に低下し始め、波高が0.8 mを超えると魚類の出現がみられなかった。また、算出した振幅流速と魚類出現率の関係では、流速が5 cm/sから出現率が徐々に低下し始め、20 cm/sを超えると魚類の出現がみられなかった。そのため、美国漁港で魚類出現個体数や出現率と流動環境に関係がみられなかったのは、寿都漁港で観測された魚類行動に影響を与えるほどの波高や流速の値が、美国漁港では観測されなかったためと考えられた。これらのことから、静穏な漁港内では、港外の高波浪に関係なく、魚類が行動できていると考えられ、本調査は港内の避難場機能を裏付ける知見と考えられる。
美国漁港では、日中や濁りがなくカメラ撮影ができていた有効撮影時に、有義波高は港外St.Bでは最大3.8 m、港内中央部のSt.Aでは最大でも0.3 m以下であった。また、インターバルカメラ撮影を行った港口部のSt.7の根固ブロック上の流速は、9 cm/s以下であった。美国漁港St.7で約1年間に渡りインターバル撮影した写真では、潜水調査やネット採取なども行った寿都漁港に比べ確認された分類群は少なかったが、寿都漁港で確認されなかった分類群も出現していた。特に、6月から11月にかけては出現する分類群が増えていた。魚類の出現個体数や出現率は、港内St.Aおよび港外St.Bの有義波高、カメラ付近St.7の流速との関係がみられなかった。寿都漁港においては、算出した有義波高と魚類の出現との関係は、波高が0.2 mから出現率が徐々に低下し始め、波高が0.8 mを超えると魚類の出現がみられなかった。また、算出した振幅流速と魚類出現率の関係では、流速が5 cm/sから出現率が徐々に低下し始め、20 cm/sを超えると魚類の出現がみられなかった。そのため、美国漁港で魚類出現個体数や出現率と流動環境に関係がみられなかったのは、寿都漁港で観測された魚類行動に影響を与えるほどの波高や流速の値が、美国漁港では観測されなかったためと考えられた。これらのことから、静穏な漁港内では、港外の高波浪に関係なく、魚類が行動できていると考えられ、本調査は港内の避難場機能を裏付ける知見と考えられる。
