講演情報

[HDS11-P05]災害発生後の指定避難所・自主避難所の状況推定
〜富山県を事例とした基礎的評価〜

*井ノ口 宗成1、田村 圭子2、木村 玲欧3 (1.立命館大学、2.新潟大学、3.兵庫県立大学)

キーワード:

指定避難所、自主避難所、2024年能登半島地震

本研究では、2011年東日本大震災において、研究チームが収集した避難所に関する情報をもとに、自主避難所を含めた「避難施設の開設数を推計するモデル」を検討した。ここでは、様々な地理的要因・社会的要因、さらには避難者自身の心理的状況が影響することは想定されるものの、それを想定した上でモデルを構築すると、汎化が難しいため、あえて人口に着目したモデル構築とした。このモデルは、激甚被災地であった岩手県・宮城県のデータを対象に分析した結果である。これにより、定数項を除いて、人口に0.03%を乗じて推定が可能と考えられた。このモデルを能登半島地震で被災した富山県の各市町村に適用したところ、2つのことが明らかとなった。
1) 富山県の各市町村は最大震度5強(公式発表)であり、東日本大震災と比べて震度は小さく、結果として実際の避難所開設数はモデルに基づく予想値より小さくなった。
2) 一部の市町村では、1)の傾向とは異なり、推定値より実測値が大きくなっていた。
ただし、東日本大震災の基礎データでは、緊急的な命を守る避難と避難生活のための避難とが混在した「避難所」となっていたことは留意しなければならない。また、能登半島地震では、地震に加えて津波警報が発令されたという東日本大震災と同じ状況とは言え、富山県の影響度合いでは避難所開設数が小さくなり、妥当な結果が得られたとも評価している。一方で、推定値より実測値が高い市町村においては、その理由を丁寧に解き明かす必要がある。これにより、避難所数推定のための洗練された変数の設定が可能になると考えている。