講演情報
[O03-02]海洋予測データの社会実装★招待講演
*佐川 玄輝1 (1.株式会社ウェザーニューズ)
海洋予測データの社会実装について、実際の適用事例を交えて述べる。当社(株式会社ウェザーニューズ)では、創業から約40年にわたり、延べ100万以上の航海を支援してきた。気象・海洋のデータに基づき、予測される荒天リスクの回避だけでなく、燃料消費の最適化によってCO2排出量を最小限に抑えられる。これにより、環境に配慮しながらビジネスにおける利益最大化を図ることができる。近年は通信衛星の発達により船舶のインターネット環境が大きく改善し、これまでは陸上でしか得られなかった高解像度かつ多様なデータを、船上でもリアルタイムに取得できるようになった。こうした背景のもと、2025年に提供開始した最新サービス「SeaNavigator for Master」では、膨大なデータに裏付けられたAIエージェントとの対話を通じて、船長による最適な運航判断を実現している。
また、2000年代以降、国際的な航海需要が高まる北極海では、他海域にはない極域航海特有のデータニーズが存在する。2026年11月に就航予定の我が国初の北極域研究船「みらいⅡ」では、海氷の密接度・厚さ・圧縮状態、海洋飛沫による船体着氷リスク、さらに海氷実況としての高解像度衛星データなど、多様なデータが求められており、これらを活用して北極海を横断する観測航海を計画している。
以上のような短期的な予測データのニーズに加え、中長期の気候変動データに対するニーズも高まっている。背景には、2015年にG20の要請で設立されたTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)が大きく影響している。これは、企業に対し、気候変動によるリスク(移行リスク・物理的リスク)と対応状況を把握し、財務情報として開示することを提言する枠組みである。TCFDはその後ISSB(International Sustainability Standards Board:国際サステナビリティ基準審議会)に発展的に継承され、複数の気候シナリオ分析、温室効果ガス排出量、リスク定量化など、開示要請の高度化が進んでいる。これにより、気候変動予測データと分析技術への需要は顕著に増加している。そのようなニーズに応える気候変動リスク分析サービスについて、特に海洋データを扱った事例として水産会社における将来の漁獲資源量予測について紹介する。これは、海水温の将来予測に基づいて行われている。あわせて、製造業における高潮を含む気候変動の物理リスク評価事例についても紹介したい。
また、2000年代以降、国際的な航海需要が高まる北極海では、他海域にはない極域航海特有のデータニーズが存在する。2026年11月に就航予定の我が国初の北極域研究船「みらいⅡ」では、海氷の密接度・厚さ・圧縮状態、海洋飛沫による船体着氷リスク、さらに海氷実況としての高解像度衛星データなど、多様なデータが求められており、これらを活用して北極海を横断する観測航海を計画している。
以上のような短期的な予測データのニーズに加え、中長期の気候変動データに対するニーズも高まっている。背景には、2015年にG20の要請で設立されたTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)が大きく影響している。これは、企業に対し、気候変動によるリスク(移行リスク・物理的リスク)と対応状況を把握し、財務情報として開示することを提言する枠組みである。TCFDはその後ISSB(International Sustainability Standards Board:国際サステナビリティ基準審議会)に発展的に継承され、複数の気候シナリオ分析、温室効果ガス排出量、リスク定量化など、開示要請の高度化が進んでいる。これにより、気候変動予測データと分析技術への需要は顕著に増加している。そのようなニーズに応える気候変動リスク分析サービスについて、特に海洋データを扱った事例として水産会社における将来の漁獲資源量予測について紹介する。これは、海水温の将来予測に基づいて行われている。あわせて、製造業における高潮を含む気候変動の物理リスク評価事例についても紹介したい。
