講演情報
[O04-02]伊豆半島の地質と気候に結びついたわさび生産とジオパークでの活用★招待講演
*佐々木 惠子1 (1.一般社団法人美しい伊豆創造センター)
キーワード:
伊豆半島ジオパーク、火山活動、黒潮、世界農業遺産、畳石式わさび田、ツーリズム
伊豆半島は静岡県の東端から南へ約60kmにわたって突き出した半島で、もともとは本州のはるか南にあるフィリピン海プレート上にできた海底火山群である。幾度の噴火を繰り返しながらフィリピン海プレートとともに北に移動し、約100万年前に本州に衝突して現在のような半島となった。その後も陸上での火山活動や地殻変動が続いている。
伊豆半島の特産品であるわさびは、気候と上述した大地の成り立ちと深く関係する。まず、日本列島の太平洋沿岸を流れる黒潮が湿った風を半島にもたらし、標高1000mを越える天城の山々に年間4000mmを越えるたくさんの雨を降らせる。天城の山々は伊豆と本州が衝突した後にできた大きな陸上火山で、多孔質の火山岩でできている。黒潮によってもたらされるたくさんの雨は溶岩の亀裂などを通じて地下に蓄えられ、古く水を通しにくい地層に沿って帯水層を作り、やがて山裾では湧き水が豊富に湧き出す。有機物や土などが混ざらない水温13-15度ほどの水が絶えず供給されるため、天城山麓では高品質なわさびが盛んに生産されている。
伊豆の棚田状のわさび田は、1892年に平井熊太郎が伊豆で開発した畳石式という仕組みでできている。1枚1枚のわさび田は下層から上層へと大きな石、小石、砂へと徐々に積み重ねて造られており、田の表面と内部の両方に水が流れるようになっている。このような構造のわさび田が棚田状に形成されることで、安定した水温の水や豊富な酸素が上段から下段に供給され、高品質なわさびの生育が可能となる。また、わさびは自家中毒を起こすため、絶えず新鮮な水が供給されることは成長阻害や根の腐敗の防止にもつながる。たくさんの石が供給可能であったことが、伊豆で畳石式という仕組みが開発された理由のひとつだろう。
畳石式などの水わさびの栽培方法は、未来に継承すべきものとして世界的価値が認められ、2018年に国連食糧農業機関(FAO)によって世界農業遺産(GIAHS)に認定された。伊豆半島も時期を同じくして2018年にユネスコ世界ジオパークに認定され、解説板を共同で制作する等の活動が行われてきた。その他、ジオパークのツーリズムや産品認証制度にも活用されている。伊豆半島の地形・地質をはじめとする自然条件に適応して生産され続けてきたわさびを、持続可能な地域づくりを推進するためのコミュニケーションツールとして引き続き活用していきたい。
伊豆半島の特産品であるわさびは、気候と上述した大地の成り立ちと深く関係する。まず、日本列島の太平洋沿岸を流れる黒潮が湿った風を半島にもたらし、標高1000mを越える天城の山々に年間4000mmを越えるたくさんの雨を降らせる。天城の山々は伊豆と本州が衝突した後にできた大きな陸上火山で、多孔質の火山岩でできている。黒潮によってもたらされるたくさんの雨は溶岩の亀裂などを通じて地下に蓄えられ、古く水を通しにくい地層に沿って帯水層を作り、やがて山裾では湧き水が豊富に湧き出す。有機物や土などが混ざらない水温13-15度ほどの水が絶えず供給されるため、天城山麓では高品質なわさびが盛んに生産されている。
伊豆の棚田状のわさび田は、1892年に平井熊太郎が伊豆で開発した畳石式という仕組みでできている。1枚1枚のわさび田は下層から上層へと大きな石、小石、砂へと徐々に積み重ねて造られており、田の表面と内部の両方に水が流れるようになっている。このような構造のわさび田が棚田状に形成されることで、安定した水温の水や豊富な酸素が上段から下段に供給され、高品質なわさびの生育が可能となる。また、わさびは自家中毒を起こすため、絶えず新鮮な水が供給されることは成長阻害や根の腐敗の防止にもつながる。たくさんの石が供給可能であったことが、伊豆で畳石式という仕組みが開発された理由のひとつだろう。
畳石式などの水わさびの栽培方法は、未来に継承すべきものとして世界的価値が認められ、2018年に国連食糧農業機関(FAO)によって世界農業遺産(GIAHS)に認定された。伊豆半島も時期を同じくして2018年にユネスコ世界ジオパークに認定され、解説板を共同で制作する等の活動が行われてきた。その他、ジオパークのツーリズムや産品認証制度にも活用されている。伊豆半島の地形・地質をはじめとする自然条件に適応して生産され続けてきたわさびを、持続可能な地域づくりを推進するためのコミュニケーションツールとして引き続き活用していきたい。
