講演情報
[O10-02]鉱物が反応する現場を可視化してみるとー蛍光イメージングで観る結晶成長★招待講演
*川野 潤1 (1.北海道大学大学院 理学研究院)
キーワード:
可視化、pH、炭酸カルシウム
鉱物には、紫外線を照射すると魅力的な蛍光を発するものがあることはよく知られている。さらに紫外線照射により、通常光では見られないパターンが内部に浮かび上がる場合もあり、それを観察することで、私たちは鉱物の成長の履歴を知ることができる。私たちのグループでは、紫外線照射により目に見えないパターンを可視化して結晶成長を解析する新たな手法として、蛍光プローブを用いたイメージング技術の開発に取り組んでいる。蛍光プローブは、溶存した溶液に紫外線を照射すると、pHやイオン濃度によって蛍光強度が変化するものであり、その溶液中で鉱物の成長/溶解実験を行えば、反応する鉱物周囲の環境を可視化することができる。
本手法を用いて、水溶液中で溶解する炭酸カルシウム(カルサイト)近傍のpHとCaイオン濃度を同時に2次元可視化した。その結果、結晶周囲から同心円状にpHやカルシウムイオン濃度が上昇するのが観察された。定量的に解析すれば、pHの上昇量はカルシウムイオン濃度の変化から想定されるよりも少なく、結晶表面における反応はバルクとは異なっている可能性を示唆した。炭酸塩鉱物は、CO2のリザーバ―として近年特に注目されているが、この結果は、その反応におけるCO2の収支の解釈にも影響を与えるものである。さらに、ゲル状マトリックス中で形成するCaCO3周囲の局所的なpHを可視化すると、結晶に向かってpHが低下しているのが確認され、イオンが結晶に向かって移動していく振る舞いが捉えられたと言える。同じCaCO3でも、結晶構造が異なる多形によってその傾向は異なり、形成時のイオンの振る舞いの違いが形成過程に影響を与えていると考えられる。本手法は、結晶の形態と周囲の環境変化との関わりの解析などにも応用可能であり、今後さまざまな観点からの進展が期待できる。
本手法を用いて、水溶液中で溶解する炭酸カルシウム(カルサイト)近傍のpHとCaイオン濃度を同時に2次元可視化した。その結果、結晶周囲から同心円状にpHやカルシウムイオン濃度が上昇するのが観察された。定量的に解析すれば、pHの上昇量はカルシウムイオン濃度の変化から想定されるよりも少なく、結晶表面における反応はバルクとは異なっている可能性を示唆した。炭酸塩鉱物は、CO2のリザーバ―として近年特に注目されているが、この結果は、その反応におけるCO2の収支の解釈にも影響を与えるものである。さらに、ゲル状マトリックス中で形成するCaCO3周囲の局所的なpHを可視化すると、結晶に向かってpHが低下しているのが確認され、イオンが結晶に向かって移動していく振る舞いが捉えられたと言える。同じCaCO3でも、結晶構造が異なる多形によってその傾向は異なり、形成時のイオンの振る舞いの違いが形成過程に影響を与えていると考えられる。本手法は、結晶の形態と周囲の環境変化との関わりの解析などにも応用可能であり、今後さまざまな観点からの進展が期待できる。
