講演情報

[O12-P100]水不足から農業を守れー乾燥に強い土づくりー

*國谷 伝1、*田村 佑成1、*武田 理和1、*森垣 はづき1 (1. 兵庫県立豊岡高等学校)

キーワード:

保水力、保水性

兵庫県豊岡市では去年の夏、降水が少なく農業用の水が足りなくなる被害が起きた。そこで土壌の保水力を高める方法を探そうと思ったことがこの研究を始めたきっかけだ。調べてみるとEFポリマーという果物の皮などの廃棄物を原料とした高分子化合物を土壌に混ぜることによって土壌の保水性を高める効果があるとわかった。しかし、同時にEFポリマーには広大な土地に混ぜることを考えると従来の肥料と比べて高価であるという問題も見つかった。そこで、ホームセンターで手に入るような比較的安価な肥料で代替できるのではないかと考え研究を始めた。
予備実験として粒の大きさと保水力の関係を調べた。粒の大きさの違う3種類の土(粒の大きいものから、スコリア(火山砕屑物)、河原の土、田んぼの土)を用意し、そこに穴の空いた箱に入れる。上から水を入れ、下から水が出てくるまでの時間を比べた。結果はスコリアが一番早く水が底へ流れた。次に河原の土、田んぼの土、と続いた。水が出てくる時間が早いほど保水力がなく浸透するのが早いと言える。よって粒の大きさが大きいほど保水力がなく、粒が小さいほど保水力がある事がわかった。
次に実験を行うためにホームセンターで比較的安価な値段で買える肥料を購入した。購入した肥料は、EFポリマー、バーク堆肥、竹パウダー、籾殻くん炭、パーライト、ピートモス、腐葉土の7種類。次に肥料に混合する土を採集した。採集した土は豊岡で実際に使わている黒ボク土(神鍋高原で使用)、砂丘の砂(久美浜町で使用)、田んぼの土(豊岡市で使用)、畑の土(豊岡市で使用)と農業用途であるかは不明だがスコリア(神鍋高原で採れる火山砕屑物)の5種類、これらの土と肥料を用いて実験を行った。実験の手順として初めに底に錐で3つほど穴を開けたコップに土と肥料を40g対10gの割合で混合した。ただしEFポリマーは適用量が違ったため48g対2gの割合でも実験を行った。またそれぞれの土の保水力を調べるために、土50gだけ入れたコップでも実験を行った。次にそれぞれのコップに60gの水を入れて1日ごとに重さを測定した。これを11日間続けて保水力を比較した。
結果として組み合わせる試料は全体的に見るとポリマー、パーライト、籾殻くん炭が保水性が高かった。バークたん、ピートモスが保水性が低く、試料を混ぜない土だけのものよりも保水性が低い場合もあった。また水が容器の底から流れ出て水分を保つ事ができない透水性が重要である事がわかった。透水性の差は水を加えてすぐに水が流れ出る、質量を測り始めた初日の値でわかる。ほぼ全ての土と資料で計り始めた初日の質量の大きい順のまま質量が推移した。
ポリマー、パーライト、籾殻くん炭ではどの土でも透水性が小さかった。バークたん、ピートモス、試料を混ぜない土だけのものは透水性が大きかった。土は、試料を混ぜない土だけのものを見ると、黒ボク土の透水性が、他のものより明らかに小さかった。一方砂丘の砂の透水性が他のものよりも明らかに大きかった。クロボクドと砂丘の砂以外は同じような結果となった。よって土の種類で見ると保水性が高いのは黒ボク土、保水性が低いのは砂丘の砂だと言える。
初日以降の質量の減り方はどんな土や試料でも同じ大きさで減り続けた。どの土や試料でも上からの蒸発の仕方に差はないと言える。透水性の差が結果につながった。
これらの結果から保水力が高い土は黒ボク度である。また、ポリマーやパーライト、籾殻くん炭はどの土に対しても保水性を上げる効果がある。
ポリマーに負けない保水力を目指したがやはりポリマーは他の試料より保水力が大きかった。しかしその値はパーライトや籾殻くん炭と僅差であり、改良を重ねていきたい。また、予備実験では粒が大きいほど保水性が低くなったが、今回の実験では砂丘の砂より粒の大きいスコリアが砂丘の砂よりも保水性が高くなっていた。粒の大きさと保水力の関係は明らかにできなかった。