講演情報
[O12-P101]COIASで発見された小惑星の分類
*横川 雪華1、*古見 彰汰1、*落合 佑駿1 (1. 北海道科学大学高等学校)
キーワード:
小惑星、COIAS、スペクトル型
1.背景と目的
小惑星は太陽系が形成された当時の情報を持っていると考えられており、太陽系の歴史を知るための手がかりとなる。また、近年地球への衝突を回避するプラネタリーディフェンスや、将来的に宇宙から資源を採掘するという観点からも、小惑星について知ることは重要である。今回使用したCOIAS(Come On! Asteroid Search)は、すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ「HSC」の画像から市民科学者が小惑星を探索・測定できるウェブアプリである。COIASでは多くの小惑星が発見されているが、スペクトル型の分類が十分ではない。そこで、「COIASで発見された小惑星をスペクトル型で分類することはできるのか」という問いを立てた。
2.方法
COIASを通じて公開されているすばる望遠鏡で撮像されたデータを使用し、以下の手順で小惑星の分類を行った。
選別:COIAS上で発見された仮符号天体(スペクトル型不明)の中から、分類に必要なフィルター(g, r, i, z)のデータが得られている天体を選んだ。
計算:選んだ各天体の色指数 (g-r, r-i, g-z, z-i) を計算した。
分析:出てきた色指数を2色図上にプロットした。プロットした天体の位置を、あらかじめ図上に示されている既知の小惑星のデータ(Sergeyev and Carry,2021)と比較し、各天体のスペクトル型を判定した。
3.結果
COIASで発見された仮符号天体100個のデータから、2色図にプロットできる18個の天体を対象とした。これは、フィルター間の観測日時の差が小さく、精度の高い色指数を計算できる天体を選んだためである。2色図にプロットして既存のデータと照らし合わせた結果、10個の天体のスペクトル型を以下のように分類することができた。
• S型もしくはV型:6個
• S型、V型、もしくはD型:2個
• S型もしくはD型:1個
• C型:1個
4.考察
結果から、S型やV型の岩石質、あるいはC型やD型の炭素質が多いことがわかった。今回はCOIASで発見され仮符号がついている約8000天体のうちの100個の中から絞り込んだ18個のデータでしか分類できていないため、統計的なサンプル数として不十分であると思う。しかし、限られたデータの中でも特定のタイプへ偏っていたことから、より多くのデータを分類したときにも同じような傾向がみられると考えられる。分光観測や追観測を行うことでこの結果が信頼できるものか検証する必要がある。
謝辞
本研究を進めるにあたり、多大なるご指導とご助言を賜りました北海道大学大学院の土井知也氏に深く感謝申し上げます。専門的な知見から、小惑星に関する知識やデータ解釈について丁寧にご教示いただいたおかげで、より深い考察を得ることができました。多忙な研究活動の中、私たちの探究に真摯に向き合ってくださったことに厚く御礼申し上げます。
参考文献
Sergeyev, A. V., & Carry, B. (2021). A catalogue of solar system objects observed by the Hyper Suprime-Cam Subaru Strategic Program. Astronomy & Astrophysics, 652, A59.
「COIAS」https://web-coias.u-aizu.ac.jp
「Small-Body Database Lookup」https://ssd.jpl.nasa.gov/tools/sbdb_lookup.html#/
小惑星は太陽系が形成された当時の情報を持っていると考えられており、太陽系の歴史を知るための手がかりとなる。また、近年地球への衝突を回避するプラネタリーディフェンスや、将来的に宇宙から資源を採掘するという観点からも、小惑星について知ることは重要である。今回使用したCOIAS(Come On! Asteroid Search)は、すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ「HSC」の画像から市民科学者が小惑星を探索・測定できるウェブアプリである。COIASでは多くの小惑星が発見されているが、スペクトル型の分類が十分ではない。そこで、「COIASで発見された小惑星をスペクトル型で分類することはできるのか」という問いを立てた。
2.方法
COIASを通じて公開されているすばる望遠鏡で撮像されたデータを使用し、以下の手順で小惑星の分類を行った。
選別:COIAS上で発見された仮符号天体(スペクトル型不明)の中から、分類に必要なフィルター(g, r, i, z)のデータが得られている天体を選んだ。
計算:選んだ各天体の色指数 (g-r, r-i, g-z, z-i) を計算した。
分析:出てきた色指数を2色図上にプロットした。プロットした天体の位置を、あらかじめ図上に示されている既知の小惑星のデータ(Sergeyev and Carry,2021)と比較し、各天体のスペクトル型を判定した。
3.結果
COIASで発見された仮符号天体100個のデータから、2色図にプロットできる18個の天体を対象とした。これは、フィルター間の観測日時の差が小さく、精度の高い色指数を計算できる天体を選んだためである。2色図にプロットして既存のデータと照らし合わせた結果、10個の天体のスペクトル型を以下のように分類することができた。
• S型もしくはV型:6個
• S型、V型、もしくはD型:2個
• S型もしくはD型:1個
• C型:1個
4.考察
結果から、S型やV型の岩石質、あるいはC型やD型の炭素質が多いことがわかった。今回はCOIASで発見され仮符号がついている約8000天体のうちの100個の中から絞り込んだ18個のデータでしか分類できていないため、統計的なサンプル数として不十分であると思う。しかし、限られたデータの中でも特定のタイプへ偏っていたことから、より多くのデータを分類したときにも同じような傾向がみられると考えられる。分光観測や追観測を行うことでこの結果が信頼できるものか検証する必要がある。
謝辞
本研究を進めるにあたり、多大なるご指導とご助言を賜りました北海道大学大学院の土井知也氏に深く感謝申し上げます。専門的な知見から、小惑星に関する知識やデータ解釈について丁寧にご教示いただいたおかげで、より深い考察を得ることができました。多忙な研究活動の中、私たちの探究に真摯に向き合ってくださったことに厚く御礼申し上げます。
参考文献
Sergeyev, A. V., & Carry, B. (2021). A catalogue of solar system objects observed by the Hyper Suprime-Cam Subaru Strategic Program. Astronomy & Astrophysics, 652, A59.
「COIAS」https://web-coias.u-aizu.ac.jp
「Small-Body Database Lookup」https://ssd.jpl.nasa.gov/tools/sbdb_lookup.html#/
