講演情報
[O12-P105]雨の降りやすい曜日は存在するか
*矢来 恵理佳1 (1. 茗溪学園高等学校)
キーワード:
気象
1. 目的
本研究の目的は、過去の気象データを用いて曜日ごとの降雨傾向を統計的に分析し、「特定の曜日に雨が降りやすい」という現象が実際に存在するのかを検証することである。もしそのような傾向が確認された場合はその要因を考察し、明確な傾向が見られない場合には、他の周期性や規則性の有無についても検討し、その理由を考察することを目的とする。
2. 研究方法
本研究では統計的手法を用いた。気象庁の過去の気象データより、つくば市館野における日ごとの降水データを使用した。対象期間は2016年から2025年までの10年間とした。
まず、日付に基づいてExcel上にカレンダーを作成し、各日の降水量(mm)を記録した。次に、降水量を0mm以上5mm未満、5mm以上15mm未満、15mm以上25mm未満、25mm以上の4区分に分類し、曜日ごとにそれぞれの日数を集計した。
さらに、雨が降った日を「降水日」、雨が降っていない日を「非降水日」として区別し、曜日ごとにそれぞれの日数を集計した。また、季節による違いを分析するために、寒候期(1〜2月、11〜12月)、中間期(3〜5月) 梅雨(6〜7月) 暖候期(8〜10月)の4つに期間を区分し、各期間について曜日ごとの降水量の総和を求めた。なお、降水量が0.5mm未満の値は0.25mmとして計算した。以上のデータをもとに、曜日ごとに各指標(降水日数、降水量総和など)において最大値となった回数を集計し、傾向を分析した。
3. データ
年:降水日日数最多・曜日、年降水量最多・曜日、寒候期降水量最多・曜日、中間期降水量最多・曜日、梅雨降水量最多・曜日、暖候期降水量最多・曜日
2016:降水日日数最多・月曜日、年降水量最多・火曜日、寒候期降水量最多・月曜日、中間期降水量最多・木曜日、梅雨降水量最多・木曜日、暖候期降水量最多・火曜日
2017:降水日日数最多・月曜日、年降水量最多・日曜日、寒候期降水量最多・木曜日、中間期降水量最多・火曜日、梅雨降水量最多・火曜日、暖候期降水量最多・日曜日
2018:降水日日数最多・月曜日と木曜日、年降水量最多・水曜日、寒候期降水量最多・火曜日、中間期降水量最多・水曜日、梅雨降水量最多・土曜日、暖候期降水量最多・土曜日
2019:降水日日数最多・月曜日、年降水量最多・月曜日、寒候期降水量最多・土曜日、中間期降水量最多・火曜日、梅雨降水量最多・日曜日、暖候期降水量最多・土曜日
2020:降水日日数最多・水曜日と土曜日、年降水量最多・土曜日、寒候期降水量最多・水曜日、中間期降水量最多・土曜日、梅雨降水量最多・土曜日、暖候期降水量最多・土曜日
2021:降水日日数最多・火曜日、年降水量最多・土曜日、寒候期降水量最多・月曜日と水曜日、中間期降水量最多・土曜日、梅雨降水量最多・金曜日、暖候期降水量最多・土曜日
2022:降水日日数最多・火曜日、年降水量最多・金曜日、寒候期降水量最多・木曜日、中間期降水量最多・金曜日、梅雨降水量最多・火曜日、暖候期降水量最多・木曜日
2023:降水日日数最多・月曜日、年降水量最多・土曜日、寒候期降水量最多・土曜日、中間期降水量最多・土曜日、梅雨降水量最多・金曜日、暖候期降水量最多・土曜日
2024:降水日日数最多・水曜日、年降水量最多・金曜日、寒候期降水量最多・土曜日、中間期降水量最多・火曜日、梅雨降水量最多・金曜日、暖候期降水量最多・金曜日
2025:降水日日数最多・日曜日、年降水量最多・火曜日、寒候期降水量最多・土曜日、中間期降水量最多・金曜日、梅雨降水量最多・火曜日、暖候期降水量最多・木曜日
4. 結果
各年ごとの分析では、降水日数および降水量の最大となる曜日は年によって異なり、一貫した傾向は見られなかった。
一方、2016年から2025年までの10年間のデータを総合すると、いくつかの傾向が確認された。降水日数が最多となる曜日は月曜日が最も多かった。降水量の総和は土曜日が最大、またはそれに近い値を示すことが多かった。また、年ごとの降水量の最多曜日を比較すると、火曜日から日曜日を経て土曜日へと変化するような分布が見られたが、この傾向は明確な規則性としては確認できなかった。
5. 考察
本研究の結果から、降水量の総和に関しては年ごとにばらつきが大きく、曜日による明確な周期性は確認できなかった。このことから、降水量に関しては7日周期とは異なる要因に影響されていると考えられる。その理由の一つとして、台風や前線の停滞などによる大雨の日が挙げられる。これらの降水量が非常に大きい日は、他の日の傾向とは独立して発生する可能性があり、特定の曜日に偏らない。そのため、降水量の総和は一部の極端な値の影響を強く受け、曜日ごとの規則性が見えにくくなったと考えられる。その一方で、降水日数に関しては月曜日が最多となる回数が多く、わずかな偏りが見られた。しかし、本研究では統計的検定を行っていないため、この差が偶然によるものか、意味のある差であるかは断定できない。全体の評価として、気象現象は大気の状態によって決まる自然現象であり、人間が定めた7日間の曜日周期とは本来無関係である。そのため、特定の曜日に降雨が集中する明確な理由は考えにくく、曜日による顕著な差が見られなかったことはむしろ妥当な結果であると考えられる。以上より、「特定の曜日に雨が降りやすい」という明確な傾向は確認できなかったが、降水日数においては月曜日にやや偏る傾向が見られた。ただし、この傾向の有意性については今後の検討が必要である。
参考文献
気象庁.過去の気象データ検索.https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/index.php.(2026-1-15).
謝辞
本研究を進めるにあたり、指導教員としてご指導いただいた穐本貴通先生に深く感謝申し上げます。
本研究の目的は、過去の気象データを用いて曜日ごとの降雨傾向を統計的に分析し、「特定の曜日に雨が降りやすい」という現象が実際に存在するのかを検証することである。もしそのような傾向が確認された場合はその要因を考察し、明確な傾向が見られない場合には、他の周期性や規則性の有無についても検討し、その理由を考察することを目的とする。
2. 研究方法
本研究では統計的手法を用いた。気象庁の過去の気象データより、つくば市館野における日ごとの降水データを使用した。対象期間は2016年から2025年までの10年間とした。
まず、日付に基づいてExcel上にカレンダーを作成し、各日の降水量(mm)を記録した。次に、降水量を0mm以上5mm未満、5mm以上15mm未満、15mm以上25mm未満、25mm以上の4区分に分類し、曜日ごとにそれぞれの日数を集計した。
さらに、雨が降った日を「降水日」、雨が降っていない日を「非降水日」として区別し、曜日ごとにそれぞれの日数を集計した。また、季節による違いを分析するために、寒候期(1〜2月、11〜12月)、中間期(3〜5月) 梅雨(6〜7月) 暖候期(8〜10月)の4つに期間を区分し、各期間について曜日ごとの降水量の総和を求めた。なお、降水量が0.5mm未満の値は0.25mmとして計算した。以上のデータをもとに、曜日ごとに各指標(降水日数、降水量総和など)において最大値となった回数を集計し、傾向を分析した。
3. データ
年:降水日日数最多・曜日、年降水量最多・曜日、寒候期降水量最多・曜日、中間期降水量最多・曜日、梅雨降水量最多・曜日、暖候期降水量最多・曜日
2016:降水日日数最多・月曜日、年降水量最多・火曜日、寒候期降水量最多・月曜日、中間期降水量最多・木曜日、梅雨降水量最多・木曜日、暖候期降水量最多・火曜日
2017:降水日日数最多・月曜日、年降水量最多・日曜日、寒候期降水量最多・木曜日、中間期降水量最多・火曜日、梅雨降水量最多・火曜日、暖候期降水量最多・日曜日
2018:降水日日数最多・月曜日と木曜日、年降水量最多・水曜日、寒候期降水量最多・火曜日、中間期降水量最多・水曜日、梅雨降水量最多・土曜日、暖候期降水量最多・土曜日
2019:降水日日数最多・月曜日、年降水量最多・月曜日、寒候期降水量最多・土曜日、中間期降水量最多・火曜日、梅雨降水量最多・日曜日、暖候期降水量最多・土曜日
2020:降水日日数最多・水曜日と土曜日、年降水量最多・土曜日、寒候期降水量最多・水曜日、中間期降水量最多・土曜日、梅雨降水量最多・土曜日、暖候期降水量最多・土曜日
2021:降水日日数最多・火曜日、年降水量最多・土曜日、寒候期降水量最多・月曜日と水曜日、中間期降水量最多・土曜日、梅雨降水量最多・金曜日、暖候期降水量最多・土曜日
2022:降水日日数最多・火曜日、年降水量最多・金曜日、寒候期降水量最多・木曜日、中間期降水量最多・金曜日、梅雨降水量最多・火曜日、暖候期降水量最多・木曜日
2023:降水日日数最多・月曜日、年降水量最多・土曜日、寒候期降水量最多・土曜日、中間期降水量最多・土曜日、梅雨降水量最多・金曜日、暖候期降水量最多・土曜日
2024:降水日日数最多・水曜日、年降水量最多・金曜日、寒候期降水量最多・土曜日、中間期降水量最多・火曜日、梅雨降水量最多・金曜日、暖候期降水量最多・金曜日
2025:降水日日数最多・日曜日、年降水量最多・火曜日、寒候期降水量最多・土曜日、中間期降水量最多・金曜日、梅雨降水量最多・火曜日、暖候期降水量最多・木曜日
4. 結果
各年ごとの分析では、降水日数および降水量の最大となる曜日は年によって異なり、一貫した傾向は見られなかった。
一方、2016年から2025年までの10年間のデータを総合すると、いくつかの傾向が確認された。降水日数が最多となる曜日は月曜日が最も多かった。降水量の総和は土曜日が最大、またはそれに近い値を示すことが多かった。また、年ごとの降水量の最多曜日を比較すると、火曜日から日曜日を経て土曜日へと変化するような分布が見られたが、この傾向は明確な規則性としては確認できなかった。
5. 考察
本研究の結果から、降水量の総和に関しては年ごとにばらつきが大きく、曜日による明確な周期性は確認できなかった。このことから、降水量に関しては7日周期とは異なる要因に影響されていると考えられる。その理由の一つとして、台風や前線の停滞などによる大雨の日が挙げられる。これらの降水量が非常に大きい日は、他の日の傾向とは独立して発生する可能性があり、特定の曜日に偏らない。そのため、降水量の総和は一部の極端な値の影響を強く受け、曜日ごとの規則性が見えにくくなったと考えられる。その一方で、降水日数に関しては月曜日が最多となる回数が多く、わずかな偏りが見られた。しかし、本研究では統計的検定を行っていないため、この差が偶然によるものか、意味のある差であるかは断定できない。全体の評価として、気象現象は大気の状態によって決まる自然現象であり、人間が定めた7日間の曜日周期とは本来無関係である。そのため、特定の曜日に降雨が集中する明確な理由は考えにくく、曜日による顕著な差が見られなかったことはむしろ妥当な結果であると考えられる。以上より、「特定の曜日に雨が降りやすい」という明確な傾向は確認できなかったが、降水日数においては月曜日にやや偏る傾向が見られた。ただし、この傾向の有意性については今後の検討が必要である。
参考文献
気象庁.過去の気象データ検索.https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/index.php.(2026-1-15).
謝辞
本研究を進めるにあたり、指導教員としてご指導いただいた穐本貴通先生に深く感謝申し上げます。
