講演情報
[O12-P110]梅雨期における多峰性降雨の特徴と要因
*林 楽洋1、*竹内 周音1、*内田 頼登1、*山本 菜摘1、*品川 航輝1 (1. 渋谷教育学園幕張中学校・高等学校)
キーワード:
気象、降水、梅雨
梅雨期の日降水量は、期間を通して単調に変化するのではなく、増加と減少を繰り返しながら推移し、複数のピークをもつ多峰性の性質を示す。本研究では、日本の梅雨期における日降水量のピーク(以下、峰)に着目し、その出現の特徴を明らかにすることを目的とした。まず、峰数の基本的な傾向を調べるために、輪島、富山、大阪、清水の4地点における1995年から2024年までの梅雨期の日降水量データを用いた。梅雨期の期間は気象庁の発表に基づいて決定し、期間が特定されていない年は解析から除外した。また、梅雨前線による降水に注目するため、台風による降水は除外した。峰の定義については、客観的に判断できるようにいくつかの条件を設定した。具体的には、降水量がその年の上位25%以上に入ること、隣り合う峰との間隔が5日以上であること、さらに周囲と比べて標準偏差以上の突出が見られることの3つの条件をすべて満たすものを峰とした。この定義に基づいて各年の峰数を求め、その変化や地点ごとの違いを比較した。その結果、どの地点でも1年あたり3~4個程度の峰が現れることが多いことが分かった。このことから、梅雨期の降水には比較的安定した多峰性の構造があると考えられる。また、峰の定義に用いる数値を少しずつ変えて解析を行ったが、峰数に大きな変化は見られなかった。したがってこの結果は定義の仕方にあまり左右されないと考えられる。次に、より長期的な変化を調べるために、輪島における1960年から2024年までのデータを用いて峰数の推移を解析した。その結果、峰数の年変動にはばらつきが見られるものの、近似直線はほぼ水平となり、長期的な増加や減少の傾向は確認されなかった。また、峰数と梅雨期の長さとの関係に着目し、各年の峰数をその年の梅雨期日数で割った値についても解析を行った。その結果、この比の経年変化においても近似直線はほぼ水平となった。これは、単位日数あたりの峰の出現頻度がほぼ一定であることを意味しており、峰数と梅雨期日数の間に一定の比例関係が存在することを示唆している。したがって、梅雨期が長い年ほど峰数が多くなる傾向があると考えられる。以上より、梅雨期の日降水量は安定した多峰性の特徴を持ち、その峰数は定義の違いにあまり影響されないこと、また梅雨期の長さと関係していることが分かった。今後は、それぞれの峰がどのような気象条件で発生しているのかを調べることで、多峰性の原因についてさらに理解を深めていきたい。さらに降水域周辺での可降水量の時間変化を調査することで水蒸気の移動との関連を調査したいと考えている。
